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米MicrosoftシノフスキーVP、VistaとOfficeが実現する新しいワークスタイルをアピール

the Microsoft Conference 2006基調講演

 マイクロソフト株式会社は11月15日と16日、同社主催のカンファレンスイベント「the Microsoft Conference 2006」を東京国際フォーラムで開催した。このカンファレンスでは、企業における新しいデジタルワークスタイルの実現に向けて提供されるWindows Vistaや2007 Office System、Exchange Server 2007などの新製品や関連するソリューションをセッションや展示コーナーなどを通じて紹介した。

 15日に行われた基調講演では、来日中の米Microsoft Windows&Windows Liveエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントのスティーブン・シノフスキー氏が、「Ready for a new day」と題し、新製品で実現する新しいデジタルワークの世界について語った。同氏は、グローバルで2007 Office Systemの開発を統括してきた実績を持つ。


マイクロソフト日本法人のダレン・ヒューストン代表執行役社長
 シノフスキー氏の基調講演に先立ち、マイクロソフト日本法人のダレン・ヒューストン代表執行役社長は、「今回のカンファレンスは、新たに発売するWindows Vistaや2007 Office Systemによってもたらされる、さまざまなイノベーションにフォーカスを当てた内容になっている。これらの新製品は、いままで日本に提供してきたものに比べても、より大きなイノベーションを提供することになるだろう」と述べた。

 さらに、日本市場での展開について、「当社では、1年半前から日本市場向け戦略を強化するプランJを進めており、人材、顧客、パートナーとの関係を密にして、より質の高い製品の提供を目指している。今回の新製品でも、日本市場は間違いなく重要な役割を果たすだろう。新製品は、今月末に発売されるが、日本での厳しい試験を経てから市場投入するに至った。今後は、IT企業との深いパートナーシップの確立、また政府、学会、大学などとの関係作りにも力を注ぎ、ユーザーに向けて大きなバリューを提供していきたい」としている。


米Microsoft Windows&Windows Liveエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントのスティーブン・シノフスキー氏
 続いて基調講演に立ったシノフスキー氏は、「今回の新製品では、コラボレーションやコミュニケーションといった共同作業を簡略化するツールを開発し、新しいワークスタイルを実現する。これにより、エンタープライズでの生産性を向上させ、グローバルに共通に抱えている仕事環境での問題を解決することができる。さらに、IT関連のコスト削減に効果をもたらすほか、コンプライアンスへの対応、セキュリティの強化、ITの専門家の仕事を軽減するなどの効果もある」と、その導入メリットを述べた。

 そして、新製品で採用された新たなユーザーインターフェイスについて、「ユーザーにもっと便利に使ってもらえるように設計をやり直した。ユーザーにとってはこれまで使い慣れたインターフェイスを変更することになるが、ベータ版を使ったユーザーからの調査の結果によると、新しいインターフェイスに慣れ親しむまでの時間は価値のあるものであることが確認できた。非常に使いやすいインターフェイスであり、多くの人がすぐに慣れることができるはず」と強調した。

 ここで、Windows Vistaと2007 Office Systemによってワークスタイルがどう変わっていくのかを「営業会議に使う報告書を作る」という想定でデモンストレーションを行った。このデモでは、Windows Vistaの特徴として、スリープモードの強化やWindows AeroによるWindowsフリップ3D機能などの直感的なユーザーインターフェイス、高速な検索機能などを紹介するとともに、Excel 2007の新機能を使ったグラフィカルな表作成の事例を紹介した。


Windows VistaのWindowsフリップ3D機能のデモ画面 Excel 2007のデモ画面

 次にシノフスキー氏は、新製品が実現する共同作業の効率化について触れ、「新しいデジタルワークスタイルにおいて共同作業を効率化していくためには、携帯電話、PDA、ノートPC、デスクトップPC、そしてサーバーまで、あらゆるコミュニケーションツールを統合しなくてはならない。さらに、そのうえで情報をシームレスなかたちで簡単に共有できる環境を提供していく必要がある。今回のOutlook新製品で提供されるツールを使うことで、これまで時間がかかっていたミーティングのスケジューリングを30秒以下で行うことができる。これは、組織全体でみれば年間で数千時間を節約できることになる」とした。

 加えて、検索機能の重要性も強調し、「コミュニケーションを効率化するだけでなく、欲しい情報を効果的に入手し、それをいかに有効に活用できるという点もポイント。そのために検索機能の改善も行った。情報はさまざまなシステムに分散しているが、これらを統合できれば、正しいレベルで重要な決定をすることができるようになるだろう」と述べた。

 この後、実際にWindowsミーティングスペース機能やGroove 2007を使った情報共有のデモを行いながら、PowerPoint 2007の新機能などを紹介。また、より広い範囲において長期間の情報共有ができ、優れたエンタープライズ検索機能を備えるSharePoint Server 2007のデモを行ったほか、社外との情報共有を効率化するツールとしてOutlook 2007の新機能や、電話を使って社内の情報に簡単にアクセスできるExchange Server 2007のユニファイドメッセージング機能などが紹介された。

 最後にシノフスキー氏は、セキュリティへの取り組みに関して、「2005年の初頭以来、1億近い個人情報のセキュリティが破られているのが現状。また企業では、SOX法などのグローバルなコンプライアンス対策のために、500億ドル以上が費やされている実情がある。今後は、いかにセキュリティを上げて、なおかつコストを下げるかがポイントになる」と述べ、セキュリティリスクの軽減、管理効率の改善、コンテンツ・情報の管理、ノートブックの紛失対策についてWindows Vista、2007 Office Systemの新機能などを使ったデモを行った。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  the Microsoft Conference 2006
  http://www.event-registration.jp/events/msc06/


( 唐沢 正和 )
2006/11/15 18:42

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