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米Red HatのSenior Vice President, Worldwide Marketing&General Manager of Enterprise SolutionsのTimothy Yeaton氏
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「多くの企業がRed Hatに対する価値を評価していただいている。これは米OracleのUnbreakable Linux 2.0に負けるものではない」、米Red HatのSenior Vice President, Worldwide Marketing&General Manager of Enterprise SolutionsのTimothy Yeaton氏は11月15日に行われた来日記者会見の席で、Red Hatの優位が変わらないことを強調した。
Unbreakable Linux 2.0は、米OracleがRed Hat Enterprise Linuxのソースコードに基づいて、米Oracleがパッチを作成して配布するというというサポートプログラム。米Oracleでは従来から提供しているサポートプログラム「Unbreakable Linux」と区別して「Unbreakable Linux 2.0」と呼んでいる。
Unbreakable Linux 2.0では、OracleユーザーでなくてもRed Hat Enterprise Linuxそのものを対象にサポートサービスを提供する点が特徴。また、価格もRed Hatの最大40%に設定している。
Yeaton氏はまずUnbreakable Linux 2.0の互換性について疑問を示し、「Red Hat社内で具体的な互換性テストをしているわけではないが、一部ジャーナリストなどのテストにより動作しないアプリケーションが存在するという指摘がなされている。また、主要なリリースだけで12~15はある。各リリースごとに約1200のパッケージのリコンパイルが必要になるわけで、一貫性に関するリスクが高まることになる」と、互換性の面で問題があると指摘。「(Oracleでは)構築時の状態がベースとなっているが、構築時でも互換性の問題が存在する。まして、変更があった場合はさらに高まる」と、アプリケーションが正しく動作しなくなる危険性があると警告した。
また、Red Hatよりも低い価格設定をしたことについては、「顧客は価格だけを基準に選択しているのではない。また、価格だけでいえば、Red Hatは無償のLinuxをライバルとしてきており、その中でも顧客から高い評価をいただいてきた。対抗的な価格設定をする予定はない」と、価格面での対抗はしないとした。
「Red Hat Linuxには80種以上の派生製品が存在するが、そのどれもが成功しているとはいえない。これは、Red Hatに対して価値を認めていただいたからと見ている。今回のUnbreakable Linux 2.0も同じ結果になるのではないか」と、同社が提供する価値に対し、絶対的な自信を示した。
ただし、日本市場でのサポートの弱さが存在することを理解しているとし、「ローカライゼーションに人員を投資している。またサポートにも力を入れていく」と、積極的に投資をしていると紹介した。
記者会見では、次期バージョン「Red Hat Enterprise Linux 5.0」を紹介。「仮想化技術やステートレスLinuxなど、アーキテクチャを変更しているのが特徴。仮想化により、柔軟性・CPU使用率の向上が実現できる。これによりコスト削減にも効果がある。また、仮想化は可用性向上にも有効。ステートレスLinuxは、各ノードに関する管理情報を中央で一元管理するというもの。各サーバーには情報を持たせず、管理するリソースを一元化できるため、管理面での負担を大幅に軽減できる」と説明した。
Red Hat Enterprise Linux 5.0の出荷スケジュールについて、「ベータ2を今週リリースし、2007年の第1四半期には製品版を提供することになる」とした。
■ URL
米Red Hat
http://www.redhat.com/
レッドハット株式会社
http://www.redhat.co.jp/
( 福浦 一広 )
2006/11/15 20:09
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