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NEC代表取締役 執行役員社長の矢野薫氏
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日本電気株式会社(NEC)主催の「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2006」が12月6日から8日まで、東京ビックサイトで開催されている。初日には、同社代表取締役 執行役員社長の矢野薫氏による「U can change. ~次世代ネットワーク(NGN)で加速するビジネス・イノベーション」と題した基調講演が行われた。
矢野氏はまず、コンシューマ起点でユビキタス社会が実現しつつある現状に触れ、「ブロードバンドは4700万人が利用しており、これはネット利用者の55%を占めている。また、ケータイからネットを利用している人は6700万人おり、PCからの利用者数6600万人を上回っている。また、おサイフケータイやモバイルSuicaなど、ケータイを決済手段に使ったビジネスも普及している」と、コンシューマを中心にネットワークが積極的に使われていると紹介。
企業にとっては、このコンシューマ起点の動きに乗り遅れないことが重要であると矢野氏は述べる。「企業はこれまで自己完結型の仕事が中心であったが、顧客や社内・社外などと連携した新しいビジネススタイルになることが必要。変化できない企業は生き残れなくなる」と、ビジネスモデルの変革の必要性を強調する。
消費者視点の企業活動を行えるかどうかがひとつの例となる。「消費者がなにを考え、なにを求めているかに応えないといけない。そして、消費者が求めるものにあわせた企業内外の変革をすばやく行える体制に変わらないと生き残れなくなる」と紹介する。同社では、こうした動きに対応できるようNGNによるIT・ネットワークの統合ソリューションや、BIGLOBEによるサービス提供者向け基盤の提供などで、企業のニーズに応えていくとした。
また、リスク対策も企業にとっては大きな課題。「2008年には日本版SOX法が導入され、日本は企業にとって世界でもっとも厳しい国になっていく。また、セキュリティだけでなく、災害対策などさまざまなリスクが存在しており、リスク管理は非常に重要」と、企業にとってリスクをいかに管理するかが課題となっていると指摘する。同社では、統合管理やシンクライアントなどによるITセキュリティの提供や、自社での経験を活かしたSOX法対応ツールの提供などを行っていると紹介した。
そのほか、IT・ネットワークインフラの最適化も重要な課題と矢野氏は述べる。「IT投資の80%以上が既存システムの維持管理に費やされている。この割合をいかに下げるかが企業にとっての課題だ。NECでは、サーバー統合・ネットワーク統合、そしてシンクライアント化によるシンプルなシステムにすることで25%コスト削減を実現した」と紹介。また、アウトソーシング化による維持管理コストの削減も有効な手段であるとした。
矢野氏は、「厳しい業績などで皆様に不安を与えたが、その過程で自社の強みを再確認することができた。われわれの強みであるIT・ネットワーク・半導体の3分野を中心に事業を展開することでグローバルなイノベーションカンパニーを目指したい」と述べ、「NGNをどう使うか、あるいはどう使えるか、ユーザー企業のみなさまと共にイノベーションを実現していきたい」と述べて、講演を締めくくった。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2006
http://www.uf-iexpo.com/top/
( 福浦 一広 )
2006/12/06 15:14
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