Enterprise Watch
最新ニュース

「2007年度はソフト・サービスビジネスの立ち上げに尽力」-ブロケード櫛見社長


ブロケードの代表取締役社長、櫛見剛氏

櫛見社長のビジョン
 ブロケード・コミュニケーションズ・システムズ株式会社(以下、ブロケード)は12月15日、この9月に代表取締役社長に就任した櫛見剛氏のお披露目を兼ね、報道向けの戦略説明会を開催した。

 櫛見社長が目標として挙げたのは3つ。1つ目は「既存SANビジネスのさらなる成長」。現在、同社のビジネスではOEMが9割以上を占めるため、OEM先との関係強化がビジネスの拡大には必須となる。この分野では、ブレードサーバー向けなどの組み込み系スイッチが好調に推移しているのとのこと、今後も、既存製品の展開に加えて新製品の投入などにより、積極的にOEM先や販売パートナーとの関係強化に積極的に取り組んでいく姿勢を示した。加えて、エンドユーザーとじかに接するハイタッチの営業活動をあわせて行うことにより、顧客とも関係を強化。さらなる顧客満足度の向上を目指していくという。

 2つ目は、「FAN(File Area Network)ビジネスの立ち上げ」だ。米Brocadeによる今年3月の米NuView買収以降、ブロケードでは、旧NuView製品をはじめとする自社のソフト製品群をTapestryブランドにまとめ、展開を進めてきいる。櫛見社長は、「FANはソフトなので、これまでの箱売り営業のスタイルは通用しない。ソリューション営業の考え方を持たねばならない」と指摘し、今後も市場における認知度向上や、パートナー開拓などに力を注ぐことを表明。「組織的な強化も行っていく」と述べた。

 この分野では、各コンポーネントを見ると似たコンセプトの製品はいくつか出ており、競合するベンダも多い。これについては、「パートナーとの関係、営業的観点から見ると導入のしやすさにつながる。WAFSのように、機能だけを見るとあまり差異は出ない部分もあるが、ブロケードが持っている価値とあわせてトータルでのメリットを提供したい」と語った。

 最後の3つ目は、「プロフェッショナルサービスの立ち上げ」。同サービスは、SANのインプリメンテーションや設定、オンサイトサポートの提供といったものから、マイグレーションのデザイン、SAN導入のデザインなどまで幅広い内容を含んだもの。櫛見社長は「直接当社が提供する場合と、サブコンストラクターに徹して、パートナー、協力会社からの提供になる場合など、ケースバイケースの対応を行う。まずは、組織の強化とサービススキームの確立を行いたい」とコメント。

 さらに、「サービス自体も、日本でのニーズにあったきめの細かいサービスをやっていこうと考えているし、将来的には独自のメニューも追加したい」とも話し、ローカライズも進めていく考えを示した。ブロケードでは、FANビジネスも含めて、2007年度の売り上げの5%をハードウェア以外であげたい考えだ。


 なお、ブロケードにおける今年の最大のトピックは、8月に発表された米Brocadeによる米McDATAの買収だろう。発表時にアナウンスされていた通り、2007年1月の買収完了に向けて統合は順調に進んでいるとのことで、櫛見社長は「両社の強い部分を融合して、最終的には顧客満足度を高めるソリューションを提供していきたい。McDATAも独自の強いソリューションを持っており、得意とする業種やパートナーがいるので、円滑に自社のオペレーションに取り込んでいく」と述べた。ただし、国内での統合がどうなるかに関しては、依然として未定である。



URL
  ブロケード・コミュニケーションズ・システムズ株式会社
  http://www.brocadejapan.com/

関連記事
  ・ “FAN”でファイルサーバー管理の悩みを解決します-ブロケードとネットアップ(2006/10/23)


( 石井 一志 )
2006/12/15 17:22

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.