Enterprise Watch
最新ニュース

「これからのコミュニケーションツールはWeb 2.0がキーワード」-ガートナー


ガートナーのITデマンド・リサーチ担当 リサーチディレクター、志賀嘉津士氏
 株式会社シマンテックは12月18日、ガートナージャパン株式会社(以下、ガートナー)が実施したアンケート調査に基づき、企業におけるメッセージングツールの利用実態ならびに今後の展望に関する説明会を開催した。

 ガートナーが10月から11月にかけて都市部に住むビジネスワーカーを対象に行ったWebアンケート調査によると、メール利用率が77%を占めるほどに急増しており、「この15年間でコミュニケーションツールとしてメールが固定電話に完全に取って代わった」(ガートナーのITデマンド・リサーチ担当 リサーチディレクター、志賀嘉津士氏)ことを示す結果となっている。

 また、一人当たりの社内・社外での電子メール受信数はともに増加しており、添付ファイルの数も徐々に増加していると報告された。今年になって社外での受信数が若干減少していることに関しては、「個人情報保護法などの法整備により、メールマガジンなどの送信を控える動きがあったのではないか」(志賀氏)とし、「全体としてメール利用率が急増していることに疑いはない」と述べた。

 こうしたメール増加の要因としては、「記録を残しておけるため」(63.7%)、「複数のメンバーと簡単に情報共有できるため」(57.1%)が最も多く、「メールが単なるメッセージングツールとしてだけではなく、エビデンスや情報共有などの用途として積極的に使われるようになり、ビジネスカルチャーとして完全に定着したといえる」(志賀氏)とした。


ビジネスワーカーのコミュニケーションツールの推移 電子メール受信数の変化 電子メール利用による効果

シマンテック、リージョナルプロダクトマーケティングマネージャの堀江徹氏

コンシューマ主導でより多面的になるコミュニケーションツール
 シマンテック、リージョナルプロダクトマーケティングマネージャの堀江徹氏は、「こうした状況を踏まえると、電子メールアーカイビングの必要性は高い。また、膨大なメールをアーカイビングしていく上では、検索しやすさが重要。メールを情報資産、法的証拠として有効活用するためにも、適切な運用ポリシーに従ってアーカイビングしていく必要がある」とした。

 一方、志賀氏は今後の展望として、5年後には電子メールが50%ほどに減少するとの論を展開。「こうしたコミュニケーション手段は、今後よりいっそう多面的に推移していく」とし、そのキーワードとして「Consumerization of IT」と「Web 2.0」を挙げた。「将来の企業ITは現在のコンシューマITに左右される。つまり、現在消費者向けに開発された、もしくは消費者によって受け入られた製品・技術・サービスが、今後は企業のITに浸透していくだろう」(志賀氏)とし、「ソーシャルネットワークサービスなどもコンシューマに先導されて、いずれビジネスツールとして定着するのではないかと考えている」と結論づけた。



URL
  株式会社シマンテック
  http://www.symantec.co.jp/
  ガートナージャパン株式会社
  http://www.gartner.co.jp/


( 川島 弘之 )
2006/12/18 19:13

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.