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クアッドコアCPUを手にする、代表取締役共同社長の吉田和正氏
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インテル株式会社は1月17日、2007年の戦略に関する記者説明会を開催。代表取締役共同社長の吉田和正氏は、「インテルの持っている技術、製品、サービス、安心感のブランドをひろげていくことで、全体の市場が活性化していく」などと述べた。
吉田氏は、2006年については「立ち上がりは厳しい年だった」と振り返ったが、米国時間1月16日に発表された米Intelの第4四半期の状況を踏まえ、「いい結果で終われた」とコメント。「非常に速い意志決定をして、状況の悪化をさせないために構造改革を社内で行った結果だ。次につながる四半期だった」と語っている。
2007年については、アーキテクチャを一新したCore 2 Duoや、昨年末から各分野で発表されたCore 2 QuadやXeon 5300番台などのクアッドコアCPUについて触れ、これらの新しい製品が、ますます普及していくだろうとした。これらのCPUは現在、65nmプロセスで製造されているが、さらに微細化を進め、2007年後半には45nmプロセスでの量産開始を目指す。そのためにIntelは、2007年には55億ドルの設備投資を予定しているという。
また吉田氏は、「技術だけ先行しても評価されない。ベネフィットをすぐにユーザーが使えるようにしなくては意味がない」との立場から、プラットフォームビジネスにも継続して注力していくことを強調した。2006年秋に発表されたビジネス向けの「vPro」については、すでにサポートしてるデスクトップPCに加えて、ノートPCを新たに対象とするほか、デスクトップPCを含めたvPro全体もさらに発展させるとしている。
モバイルでは、Core 2 Duoをベースにした新しいCentrinoを立ち上げ、IEEE 802.11n準拠の無線LAN機能と組み合わせて、より快適で、かつ電力効率の良いプラットフォームを提供するという。これは、すでに2007年前半の提供が明らかにされている“Santa Rosa”(開発コード名)プラットフォームのこと。同プラットフォームでは、NANDフラッシュメモリをキャッシュとして利用した“Robson”(開発コード名)も採用される予定で、「休止状態からPCを立ち上げ、複数のアプリケーションを動作させるまでの速度を最大2倍にする」(吉田氏)と述べた。
ハイエンド市場向けに展開されているItanium 2については、昨年投入したItanium 2 9000番台について触れたほか、Itanium Solutions Allianceの結成にも言及。「これまでUNIX/メインフレームサーバーが強かった基幹業務やHPC分野で普及を促進している。2007年暮れまでに、出荷金額ベースでRISCサーバーを超え、約6割を確保する見通しになっている」(吉田氏)と話し、この分野でもビジネスが順調であることを強調している。
■ URL
インテル株式会社
http://www.intel.co.jp/
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( 石井 一志 )
2007/01/17 17:49
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