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エクサ、不採算案件の撲滅で経常利益倍増を目指す


大水一彌社長
 株式会社エクサは1月23日、2007年度の事業方針を発表した。

 同社は、1987年に日本鋼管(NKK、現JFEスチール)の情報システム部門およびエレクトロニクス本部が独立し、エヌ・ケー・エクサとしてスタート。現在は、日本IBMが51%を出資し、JFEスチールは49%の資本比率となっている。自らがユーザーとして取り組んできた基幹システム構築、運用ノウハウを生かすとともに、鉄鋼や金融/カード分野における大規模プロジェクトの開発実績、さらには、IBMの最先端技術を生かしたソリューション力を持つシステムインテグレータとして成長してきた。今年10月には、創立20周年を迎える。

 「メーカー系、ユーザー系、そして外販という3つの特色を持つのが、当社の強みだと考えている」(同社・大水一彌社長)という。

 売り上げ構成比は、JFEスチールからの受注が約3分の1、約20%が日本IBMからの受注案件だという。

 12月末締めの2006年度の売上高は、速報値ベースで344億9000万円、経常利益は7億6000万円、従業員数は1576人。前年度に比べて売上高が減少、経常利益は半減しており、「JFEスチールの経営システム統合が最終段階に進んだこと、さらに、不採算プロジェクトの整理がピークを迎えたことが影響した」という。


同社が提供するソリューション群
 2007年度の事業方針として、「お客様の高い信頼と満足を獲得する」「業務改革・意識の推進」の2点を掲げ、「今年度はビジネスモデルの変革に取り組んでいく。パッケージにエクサのノウハウを加えたパッケージSI事業を強化。ソリューションSIの比率を現在の40%から60%に引き上げる」とした。

 また、「人に依存する仕組みから脱却するとともに、先進技術を活用した仕組みへと変革し、生産性を高める。設計書からソースコードの自動生成し、ネットを通じてオープンソフトとして公開するといった取り組みも行うほか、ビジネスパートナーやオフショアの有効活用を積極化し、現在、全体の5%(約780人月)を占めるインドでのオフショア比率を倍増させる考え。将来的には3割にまで引き上げたい」とした。

 同社では、オープンソースのMDA(Model Driven Architecture)フレームワークである「AndroMDA」用のDAO(Data Access Object)カートリッジをオープンソースとして公開。MDAの普及促進を狙っている。

 一方、若手、女性の活用も2007年度の課題としており、1月に社内に設置したインキュベーションセンターでは、20代の社員を中心に構成。さらに、今後は女性によるプロジェクトチームを編成して自主的な活動を行う。インキュベーションセンターでは、MRO社のMAXIMOによって、エンタープライズアセットマネジメントソリューション分野の開拓に取り組んでいく。

 「ここ数年、社員数は減少しているが、2006年は新卒者34人を採用、今年4月入社では45人を採用した。来年は50人を採用する計画であり、引き続き新卒採用を増やし、1600人体制としたい」という。

 「ピリッと尖った企業を目指す。2007年度は、売上高を拡大するとともに、プロジェクト審査機能の充実を図るなどの取り組みを通じて不採算案件を撲滅することによって、経常利益を倍増させたい」(大水社長)としている。



URL
  株式会社エクサ
  http://www.exa-corp.co.jp/


( 大河原 克行 )
2007/01/23 16:51

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