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日本AMD、2007年のキーワードは“ベター・バイ・デザイン”


同社代表取締役社長の森下正敏氏
 日本AMD株式会社は1月24日、2007年の事業方針に関する記者説明会を開催した。説明会には、2006月11月に同社代表取締役社長に就任した森下正敏氏などが出席し、同社が掲げる“ベター・バイ・デザイン”などを紹介した。

 森下氏は、昨年のAMDによるATI買収に触れ、「AMD+ATIによるシナジーを着実に作り上げているところだが、順調に進んでいる」と紹介。「2007年は、このAMD+ATIの具体的な取り組みとして“ベター・バイ・デザイン”を推進する。また、真のクアッドコアプロセッサである“barcelona(バルセロナ:開発コード名)”を2007年中旬には発表する」と述べ、引き続きテクノロジーリーダーとして行動するとした。


ベター・バイ・デザインのステッカー。プロセッサ、グラフィックス、ワイヤレスの3つのロゴをつなげたデザインとなっている
 今回発表された“ベター・バイ・デザイン”について、同社取締役マーケティング本部 本部長の吉沢俊介氏は、「(インテルのように)プロセッサやワイヤレスを一つにまとめて提供するのではなく、それぞれのニーズに応じたプロセッサやグラフィックス、ワイヤレスを自由に選択できることが大事。これをAMDでは、“ベター・バイ・デザイン(より賢い選択)”プログラムとして取り組んでいく」と紹介。PCベンダーが自由に選択することで、よりよい製品を市場に提供できるようにする取り組みであると述べた。ベター・バイ・デザインには、NVIDIA、Airgo、Atheros、Broadcomの各社が参加している。

 ベター・バイ・デザインでは、グラフィックスとしてATI以外にもNVIDIAが選択肢のひとつに挙げられている。「選択の自由を推進することこそ、AMDの成長の原動力だ。ATIだけに絞らず、よりよいものを自由に選択できるようにすることが、結果的にAMDにとってもプラスになるだろう」(吉沢氏)と、あくまでも自由に選択できることに重点を置いた取り組みであると説明する。


企業向け製品の2007年活動方針
 企業向けの取り組みについては、「2006年はワット性能を訴求し、多くのベンダーからAMDのプロセッサを搭載した製品が出荷された。また、利用用途としても従来のHPC分野だけでなく、ビジネス分野での利用も拡大している」(同社エンタープライズビジネスデベロップメント本部の多田和之氏)と紹介。「2007年も引き続きワット性能を訴求し、さらに多くの企業で採用されるよう取り組んでいく。また、Cool'n'Quietテクノロジーによる省電力・静音化を訴えて、オフィスでのクライアント用途も促進していきたい」と、企業での採用拡大を目指す考えを示した。

 2007年中旬に発表予定の「barcelona」については、「ネイティブなクアッドコアプロセッサとして他社にさきがけて提供できるだろう。これにより、テクノロジーの優位性を確保する」と、“真”のクアッドコアプロセッサとして、積極的に取り組む姿勢を示した。この「barcelona」は、サーバー向けから提供される予定。

 国内ベンダーでの同社プロセッサの採用が低調な現状について、吉沢氏は「これまで様子を見ていた国内ベンダーも、今年はいくつか製品を提供するのではないか」と、2007年は国内ベンダーも同社プロセッサ搭載製品を投入するとの見通しを示した。

 また、1月22日に発表されたSunとIntelの提携については、「x86サーバーの需要が増加したための動きととらえている。マーケットが活気づくという点では、AMDとしても歓迎している」(多田氏)と述べ、選択の自由が広がる動きの一つと評価した。



URL
  日本AMD株式会社
  http://www.amd.co.jp/


( 福浦 一広 )
2007/01/24 16:57

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