Enterprise Watch
最新ニュース

SAP、2007年の事業戦略を発表-中堅中小企業のさらなる開拓に力を入れる


代表取締役社長のロバート・エンスリン氏
 SAPジャパン株式会社は2月6日、同社の2007年戦略説明会を開催した。2006年に引き続き、パートナー戦略を強化することで中堅・中小企業の開拓を促進していく考えを示した。

 2006年通年のソフトウェアライセンスの売上は、全世界合計で30億7100万ユーロと前年比で12%(為替変動分をのぞく)の成長となった。また、日本市場は前年比17%増(為替変動分をのぞく)と、グローバルで一番の伸びを示した。同社代表取締役社長のロバート・エンスリン氏は、「昨年もこのような戦略説明会を行い、2006年の目標としてソフトウェアライセンスの売上で15~17%増と発表した。その際、記者の皆さんから達成可能なのかといった声があがったが、目標どおりの結果となった」と、高い目標設定にもかかわらずクリアできた点を強調した。

 この要因について、エンスリン氏は「昨年の中堅・中小企業での売上が前年比43%増となっており、中堅・中小企業に注力したことが大きく貢献している。昨年獲得した新規顧客650社の多くが中堅・中小企業であり、パートナー経由での販売も多かった」と、中堅・中小企業の伸びが全体の売上に貢献したと説明。そのほか、大規模案件の獲得や、日本版SOX法の追い風、顧客企業のビジネス価値の向上を図るValue Engineeringを販売活動で活用したことが、売上増の要因となったとした。

 2007年については、中堅・中小企業ビジネスの推進とともに、パートナー支援策の強化など、2006年の成長の要因となった分野を引き続きのばしていくと紹介。「パートナー支援については、特にサービスだけを提供しているパートナーのように、これまで十分支援できていないところに力を入れる」(同社シニア・バイスプレジデント パートナー&マーケティング統括本部の安田誠氏)と、パートナー経由での中堅・中小企業へのアプローチを強化する考えであると述べた。そのほか、企業のコンプライアンス対応を支援するGRC(Governance Risk Compliance)ソリューションや、OutlookやPDFなどインフォメーションワーカーにとって親和性の高い環境との統合なども推進するとしている。

 2006年に発表されたSaaSアプリケーション「SAP CRM On-Demand」の現状について、「もともと大規模企業を想定して用意したが、パッケージと比較した結果、パッケージに流れる傾向にある。案件そのものはいくつかあるので、力を入れていないわけではない」(安田氏)と、引き続きSaaS事業も行うとした。



URL
  SAPジャパン株式会社
  http://www.sap.com/japan/


( 福浦 一広 )
2007/02/06 16:35

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.