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経営執行役常務 サービスプロダクトビジネスグループ長の石田一雄氏
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LCMサービス概要
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LCMサービス統合メニュー
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富士通株式会社は2月20日、ITプロセスにおける企画、導入、運用、撤去の全フェーズをサポートする「LCM(Life Cycle Management)サービス」における体制・基盤を強化すると発表した。
LCMサービスは、同社が進めるアウトソーシング事業の一環として、ユーザー先のIT機器の運用ライフサイクルと総合的にサポートするオンサイトアウトソーシングサービス。経営執行役常務 サービスプロダクトビジネスグループ長の石田一雄氏によれば、「これまで個別に提供していたアウトソーシングサービスをサービス水準や提供方法、価格などを一本化してライフサイクル全体にわたってサポートできるようまとめたもの」だという。
今回の体制強化の理由について石田氏は、「PCなどの管理台数の増加やシステム構成の複雑化、また内部統制の動きなどによって、自社運用に限界を感じるユーザーが急増するにつれ、アウトソーシングに対する期待が高まっている」と言及。その期待に応えるために今回、「3000社以上にサービス提供してきた実績をベースに顧客のニーズを再度洗い出し、より広範囲なニーズに対応できるようまずはサービスメニューを拡充した」のだと説明した。
具体的には、従来より提供していたライフサイクルトータルサポートメニューに、新たにITライフサイクルの各段階別に標準化した「フェーズ別メニュー」を追加。運用設計、システム展開、セキュリティ運用、システム監視、データ消去など多岐にわたって細分化されたラインアップとした。これにより、「今まで以上に柔軟にユーザーのニーズに応えることができる」(石田氏)という。
豊富なメニューの中でも石田氏は特に、ユーザーの日々の運用内容を可視化・標準化する「運用設計サービス」の利点を強調。「アウトソーシングの結果、社内の環境がどう変化したのかが分からなければユーザーは不安を手放せない。日本版SOX法なども考えれば、サービスを提供する側の当社には、サービス仕様や運用フロー、サービスレベルを標準化して、文書化する義務がある」とした上で、「運用設計サービスはまさに、運用基準や運用フローなどをしっかり設計して、この可視化を促進するためのものだ」と語った。
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運用サービス体制・基盤の強化-リソースシフト
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一方で、より良いサービスを提供していくためには、運用サービス体制・基盤の強化が必要となる。これに対して富士通では、全国850カ所のCE(Customer Engineer)拠点に加えて、全国8カ所に「LCMサービスセンター」を新設。CE拠点とのサービスインフラ共通化を図るとともに、ソフトやネットワークに専門スキルを持つ技術者を集約して、24時間体制を整えた。石田氏は「顧客のデータを預かるので、セキュリティには特に注力した」とした上で、「同センター新設により、オンサイトの駆けつけ時間をこれまでのコミットメントである2時間から、分単位に短縮することが目標だ」とした。
また、現在、製品保守を担当する8500名のCEの中から、LCMサービスを幅広く提供できる人材を育成し、2008年までにはオンサイト運用技術者やサービスマネージャとして大幅にリソースシフトしていく予定。「特に、サービスマネージャは顧客との窓口となるもの。顧客と対話を密に行ってこそ、サービスメニューを細分化したことによる柔軟性が生かせるので、同サービスにおいてはキーパーソンといえる」(石田氏)とのこと。
こうした体制・基盤の強化とともに、国内最大級の拠点数や他社製品でもサポート可能なナレッジなどの強みを生かし、2008年度には同サービス全体で1560億円の売上を目指すとした。
■ URL
富士通株式会社
http://jp.fujitsu.com/
プレスリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2007/02/20.html
( 川島 弘之 )
2007/02/20 16:38
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