「セキュリティへの意識が高まっている日本市場は重要な市場。ビジネス機会を増やしたい」、こう語るのは、米ClearCube Technology CEOのブルース・コーエン氏だ。同社は、ブレードPCを中核とした事業を展開しており、国内では、日立システムアンドサービスやNTT PCコミュニケーションズなどがパートナーとなっている。コーエン氏に、日本での今後の展開について話を伺った。
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米ClearCube Technology CEOのブルース・コーエン氏
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同社のブレードPC
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―ClearCubeというとブレードPCのベンダーというイメージが強いのですが。
コーエン氏
確かにブレードPCというハードウェアを扱っていますが、われわれは単なるハードウェアベンダーからソリューションを提供する企業へと変革しています。われわれが提供している中央集中型コンピューティングは、企業のセキュリティ面でもTCOの面でも貢献するものです。クライアントPCを一括で管理するという考えを市場もやっと認識しており、この分野では弊社はリーディングカンパニーです。
―具体的な強みを教えてください。
コーエン氏
われわれのソリューションは非常にシンプルです。これまでユーザーのデスクトップにあったPCをブレード状のPCにして、一括で管理するというモデルです。これにより、情報漏えいなどのセキュリティ面でも管理がしやすく、またブレードという形状を採用しているのでスペース面でもメリットがあります。
米国では、情報管理の意識が高い金融やヘルスケア、また政府系機関などで採用されています。日本でも、金融を中心に導入が始まっています。
―日本での売上は全体の何パーセントくらいを占めているのでしょうか?
コーエン氏
現時点では、売上の80%が米国となっています。日本はまだ小さな割合です。われわれとしては、米国以外の売上の割合を2010年には50%まで高めたいと考えています。
日本市場に対しては、パートナーとの関係を強化し、2007年は全体の5%に、そして2008年には10%まで高めたいと考えています。
―1年で倍ですか。
コーエン氏
そうです。現在年40%の成長率となっていますので、3倍近い成長が必要になりますが(笑)。
―かなり大きな目標ですね。目標達成のためには、パートナーの協力は欠かせませんね。
コーエン氏
今回の来日もパートナーとの関係強化が目的です。パートナーとの協力関係を高めるには、最終的にはフェイスツーフェイスの関係が必要です。その上で、われわれはパートナーに対して最大限の協力を行います。
―とはいえ、新しいソリューションとなると企業側では素直に導入しないのではないでしょうか。まだまだ導入事例も少ないようですし。
コーエン氏
確かにそうです。今年の目標のひとつにメジャーな企業での導入があります。これまでに日本では30社で導入されていますが、有力な企業が採用しているという事例があると、商談がしやすくなりますから。
ブレードPCそのものが低価格になってきていますので、イニシャルコストを削減するのに有効です。また、プロセッサの性能も向上しているので、仮想化技術もあわせて利用するなどの展開も考えられます。企業に対してはTCO削減にも有効である点を強調したいですね。
近いうちに、パートナーとともに新しいソリューションなどを発表する予定です。今年は積極的に活動しますので、注目していただきたいですね。
■ URL
米ClearCube Technology
http://www.clearcube.com/
( 福浦 一広 )
2007/02/26 16:24
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