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米Postiniのグローバルソリューション・エンジニアリング担当副社長のウィリアム・ヒッペンマイヤー氏
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日本ベリサイン株式会社は2月28日、2006年11月に発表した統合メールセキュリティサービス「Postini Perimeter Manager Enterprise Edition」の説明会を開催。米Postiniのグローバルソリューション・エンジニアリング担当副社長、ウィリアム・ヒッペンマイヤー氏から、同サービスのメリットなどが説明された。
同サービスは、アンチウイルス、アンチスパム、Webセキュリティ、メッセージ暗号化、およびアーカイビングなど統合的なメールセキュリティを実現するSaaS型サービス。
ユーザーに送信されたメールをPostiniのデータセンターに経由させ、フィルタリングを行った後に、正規メールのみをユーザーに転送する。このため、ユーザーは自社にメール対策アプライアンスを設置する必要がなくなり、機器のメンテナンスなどの運用コストの削減が可能になる。また、ユーザーは必要なメールのみ受信できるようになるため、スパムメールに費やすシステムリソースを削減できるのもメリットの1つだ。
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2006年末になって急増したスパム
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Postiniについて
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ヒッペンマイヤー氏は、「2006年はスパムが急増した年だった。12月には前年比147%もの増加を見せ、世界中を流れる全メールのうち94%がスパムだったとされる。なおかつ、データ容量の大きな画像スパムも増加したため、対するシステムの必要処理能力としては334%増となった。処理能力に限界のあるアプライアンスで対策していては、到底耐えられない数字だ。実際、一時的にシステムダウンしたユーザー事例もある。こうした面からみてもユーザーにとってSaaS型であることの効果は大きい」とアピールした。
しかし、一度データセンターを経由することによるメール遅延は問題とならないのだろうか。ヒッペンマイヤー氏によれば、「フィルタリングを行う際は、メモリスルーという方法を採用しているため、遅延は最小限」なのだという。
メモリスルーとは、Postini側でメールを受け取った際に、メールのコピーをメモリに一時保存してフィルタリングを行う方法。HDDに保存する場合に比べ、高速な処理が可能とのこと。また、ウイルスやスパムのフィルタリング処理自体も並列して行うため、「平均150ミリ秒の遅延に抑えられると約束できる」(ヒッペンマイヤー氏)とするとともに、HDDに保存しないため、情報漏えいのリスクもないとした。
またヒッペンマイヤー氏は、「同サービスには、単純なフィルタリングでは実現できない事前防止的な画期的な対策機能がある」と説明。Postiniでは、世界に8つ保有するデータセンターにて、12億通/日ものメッセージを処理しているという。「毎日これだけの量のメッセージを処理しているため、当社ではトランザクションの傾向を把握することができる。事前防止機能はこの点を利用する」(ヒッペンマイヤー氏)。
すなわち、ネットワーク上のトランザクションをリアルタイムに分析して、スパムやウイルス発信のためのテストアタックを検知、本格的な攻撃が開始される前にブロック処置を施してしまうのだ。このため、シグネチャの存在しない未知のウイルスにも対応する。また、一度に膨大な量のメールを送信したり、ヘッダ情報が異常なメールを送信したIPアドレスを特定し、動的にブラックリストに登録することも可能という。
「これは、大量のメッセージを毎日処理している当社だからこそ可能な特許技術。傾向分析は動的に行われる。そのため、例えば何らかの脅威がアウトブレークしている時だけ一時的に遮断して、嵐が去った後に再び通信を許可するといった柔軟な対応が可能。故に、フォルスポジティブの可能性も少ない」(ヒッペンマイヤー氏)。
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日本ベリサイン、ビジネスディベロップメント部 部長代理の平岩義正氏
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日本ベリサインの今後のビジョン
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日本ベリサイン、ビジネスディベロップメント部 部長代理の平岩義正氏は、「当社としては、こうした革新的な点を評価したため、Postiniとの提携を決めた。メールを取り巻く状況をみると、今後は企業内に設置するソリューションでは対応しきれなくなるはずだ。SaaS型である同サービスは、そうした意味で大きなアドバンテージがある」と語る。
その上で、こうした新しいサービスの投入や認証という分野で築いたブランド力をてこに、「これまでの“デジタル証明書発行会社”というイメージからの脱却を図り、2010年までには“統合セキュリティサービスプロバイダ”という立場を確立する」(平岩氏)と今後の戦略を説明した。
■ URL
日本ベリサイン株式会社
http://www.verisign.co.jp/
米Postini
http://www.postini.com/
( 川島 弘之 )
2007/02/28 20:38
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