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NEC、インド企業に対しシンクライアントシステムを供給-3年間で10万台を目指す


NEC取締役 執行役員専務の小林一彦氏(右)とSify CEO兼社長のラジュ・ベゲセナ氏

今回の協業の枠組み
 日本電気株式会社(以下、NEC)は3月1日、インドSify Limited(以下、Sify)との間でシンクライアント事業に関する戦略的な提携関係を確立したと発表した。今回の提携により、NECの仮想PC型シンクライアントシステム「VirtualPCCenter」をSifyに供給。Sifyはアウトソーシング事業など自社事業で活用する形でインドの企業にVirtualPCCenterを提供する。

 VirtualPCCenterは、サーバー機能をプリインストールしたオールインワンサーバー「Express5800/VPCC仮想PCサーバ」と同サーバーの専用管理サーバーである「Express5800/VPCC管理サーバ」、およびシンクライアント端末で構成されるシンクライアントシステム。マルチメディア処理をシンクライアント端末側に搭載したLSIで行うことで、一般的なPC並みの動画処理を実現している点が特徴となっている。

 Sifyはインド国内でデータセンターサービスを提供する大手企業。企業向けのアウトソーシングサービス事業や個人向けのインターネットサービス・ネットカフェ事業などを手がけている。今回の提携により、Sifyは自社データセンター内にVirtualPCCenterを設置し、ユーザー企業内には端末のみを設置するアウトソーシングの形でサービスを提供する。また、Sifyの販売チャネルを生かしたVirtualPCCenterの販売も行う。そのほか、Sifyが展開するネットカフェ約3500店舗やコールセンターなどでのVirtualPCCenter導入も行うとしている。

 NEC取締役 執行役員専務の小林一彦氏は、「インドは大規模ITサービスの拠点が集中しているデータセンターのメッカ。こうした環境の中、シンクライアントに着目する企業も増えている。また、インドそのものの市場が拡大しており、PCではなくシンクライアントを選ぶ可能性もあり、大きなシェアを得られるチャンス」と、発展途上のインド市場での展開に期待を寄せている。

 Sify CEO兼社長のラジュ・ベゲセナ氏は、「インドのPC市場はまだ始まったばかり。PCそのものの浸透率は、アメリカの1000人あたり950台に対して、インドは1000人あたり14台。可能性のある市場だ」とこれから大きく伸びる市場であると強調。「IT市場の成長率は24%、サーバー出荷数も10万台とアジア太平洋地域では第3位の規模。ブロードバンドの導入率も前年比で倍の成長を示している。シンクライアント導入によるコスト削減効果は、インドでも高いとみている」と、インドでもシンクライアントへのニーズは十分にあるとした。

 NECは今回のSafiとの提携により、今後3年間で10万台のシンクライアント端末、6000台のサーバー、8000万ドルの売上を目標としている。


NEC取締役 執行役員専務の小林一彦氏 Sify CEO兼社長のラジュ・ベゲセナ氏


URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  インドSify Limited
  http://www.sifycorp.com/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0703/0101.html

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( 福浦 一広 )
2007/03/01 13:19

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