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桜井正光社長
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株式会社リコーは3月2日、第15次中期経営計画の最終年度となる2007年度の事業方針などについて説明した。
2005年度からスタートした第15次中期経営計画では、プリンティング事業領域における新規展開をはじめとする成長戦略を掲げており、最終年度となる2007年度の売上高見通しでは2兆3000億円、営業利益は2350億円。純利益は1370億円を目標としている。営業利益率で10%を超えるという高い目標への達成が注目されていた。
同社桜井正光社長は、「2007年度に営業利益率10%という目標達成は大変厳しいということを実感している。中期計画の数値を変えることはしないが、2006年度見通しの8.3%という営業利益率を下限として、プラスアルファを見込みたい。また、2006年度には営業利益の伸びが15.8%増。これと同じ成長を2007年はぜひ達成したい」とした。
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中期経営計画の概要
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業績目標
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2006年度の業績見通し
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アナリストの間では、すでに営業利益率10%の達成は難しいとの指摘が出ている。桜井社長も、「第15次中期経営計画の期間中は、競合他社との競争が激しく、予想以上の価格下落もあった。これが収益性に影響している。また、IBMとのプリンティング事業との合弁などの取り組みによって、売上高は増大するが、これがどれだけ収益に寄与するかが課題になる」とした。
しかし、第15次中期経営計画によって、成長戦略の実行に成功している点は評価できる。
第13次、第14次中期経営計画では、構造改革が中心となり、第14次中計期間中の売上高平均成長率は2.8%増。これが第15次中計では8.4%増へと大きく拡大。「この中計によって、収益力のある体質に転換できたと考えている」(桜井社長)とした。
第15次中期経営計画では、「単なるOA機器のハードメーカーではなく、ドキュメントソリューションにおけるプロバイダーに変革する」(桜井社長)という事業構造転換をベースとして、既存領域であるPPC、MFPにおいて先進性、高機能性を追求した「ダントツ化」戦略を推進。これを収益のエンジンと位置づける一方、成長領域として、ハイエンドプリンティング/ローエンドプリンティング、産業領域、エマージングマーケットの3つを掲げるとともに、技術差別化の促進、収益基盤の強化に取り組んでいる。
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成長戦略の構造
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プリンティングの成長戦略
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ハイエンドプリンティング分野においては、日立プリンティングソリューションの買収に続き、IBMのプリンティングシステムディビジョンとの合弁によって体制を強化。「リコープリンティングシステムは、日立が持っていた連帳やカットシート印字への高速化技術などのハイエンド技術の蓄積と、プロダクトプリンティング事業における製品ラインアップの強化を達成でき、今回のIBMとの合弁によって、IBMが持つソフト、ソリューション、サービス、販売力といったものを活用できるようになる。当社が狙っているプロダクトプリンティング事業の基盤確立と成長戦略が描けるようになる」としている。
同社では、ハイエンド領域を指すプロダクトプリンティング市場の現在の規模を約1兆円と想定。これが2010年には、商業印刷分野におけるダウンサイジング化によって約2~3兆円規模の市場が流入。一方で、オープン化などを背景に、一般オフィス向けOA機器分野への流出が3000~4000億円規模に達すると想定。結果として、3兆円を上回る市場規模に拡大すると見込んでいる。
ローエンドプリンティング市場に関しては、ジェルジェットプリンタおよびローエンドMFP/LP製品によって、オフィスとコンシューマの中間となるビジネスパーソナル市場を狙う製品と位置づけ、ラインアップの強化やネットワーク対応強化などを推進する考え。
同製品分野における量販市場への展開については、「家庭向けプリンタの1カ月間の印字枚数は30~50枚。だが、当社が狙っている市場は、最低でも月1000枚以上、平均で5000枚以上という規模。家庭向けプリンタで事業を成立させるためには、相当の台数をばらまかなくてはならない。当社にとって、収益性のあるビジネスモデルとは言い難い。一部、量販店での扱いはあるが、訪問販売やディーラー体制を活用して、プリンティングボリュームが多い、教育、金融、保険といった市場に焦点を当ててやっていく」とした。
一方、産業領域においては、光学機器事業、半導体事業、サーマルメディア事業、デジタルカラーの4つの分野を中心に成長戦略を描くという。
また、海老名に設置した開発センターの成果に触れ、「商品設計、開発評価、生産技術といった部門が一緒になったことで、いい意味での恐ろしさを実感している。開発効率の良さ、品質の向上を図ることができ、強い商品を創出することができた」とした。
また、4月1日付けで会長に就任することが決定している桜井社長によって、中期経営計画に関する説明は今回が最後。これまでの経営を振り返り、「2004年は、第15次中計に向けて成長のベースを作る1年であり、モノクロからカラーへの転換を図るとともに、光ディスクドライブ事業の売却などの選択と集中を推し進めた。また、第15次中計が始まった2005年は、強い商品づくり、販売体制づくり、サービス体制づくりに取り組み、この成果が2006年に出てきたと考えている。2006年にはこれまでの基盤、地盤をさらに強化するとともに、成長戦略として新たなプリンティング領域を軸に戦略的投資を行った。これが次の中期経営計画につながっていく。株主価値、顧客価値、社員価値という3つの観点から企業価値を高めることに取り組んできたが、とくに、お客様起点でのCS経営の実行が販売や商品開発で定着してきたと考えている」などとした。
さらに、「これまでにもMFPの国内事業の改革に着手しているが、次期中期経営計画では、ここをさらに強くしていかなくてはならない。また、プロダクトプリンティング分野の成長をどう描くか、産業領域をいかに伸ばすかが課題といえる」とした。
■ URL
株式会社リコー
http://www.ricoh.co.jp/
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・ リコー、中期経営計画で営業利益率10%に意欲(2006/03/02)
( 大河原 克行 )
2007/03/02 13:34
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