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握手をするダレン・ヒューストン社長と樋口氏
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代表執行役兼COOに就任した樋口泰行氏
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代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏
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マイクロソフト株式会社は3月5日、前ダイエー社長の樋口泰行氏が同日付で代表執行役兼COOに就任したと発表した。代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏に次ぐ立場で、同社の法人・企業・公共機関向けビジネスおよびマーケティング担当部門などコマーシャルビジネスを統括する。これに対して、ヒューストン氏は、エンドユーザー向け製品のほか、MSNやXBOXなどのコンシューマビジネスとマイクロソフト社内全般を担当する。
樋口氏は、1957年兵庫県出身。1980年に大阪大学工学部卒業後、松下電器産業に入社。1991年にはハーバード大学経営大学院(MBA)を卒業。1992年にボストンコンサルティンググループに入社。その後、1994年にはアップルコンピュータに、1997年にはコンパックコンピュータに入社。2002年の日本ヒューレット・パッカードとの合併にともない、日本ヒューレット・パッカード執行役員インダストリースタンダードサーバ統括本部長に就任。2003年には、同社代表取締役兼COOに就任。2005年には、ダイエー代表取締役社長兼COOに就任するが、翌年社長を退任し、顧問に。2006年末にダイエー顧問を退任していた。
今回のCOO就任について、樋口氏は、「元々ヒューストン氏と面識があり、昨年の秋に食事をし、今回の話が出てきた。今年に入って、米国本社でバルマーCEOなどど面談し、成功した企業であるにもかかわらず、慢心した点がないのに驚いた。経営はこうあるべきと感じた」と就任に至るまでの経緯を説明。「正直なところ、もう少しのんびりしていたかったが、評価をいただいたこともあり決断した」と、説明した。
ダイエーでの経験については、「これまで外資系の会社が長かったこともあるが、株主も組合も強いという会社を経験したのは自分にとって大きなことであった。また、差別化が難しい世界でどうやって成長するかというのもいい経験だった。顧客サイドの視点もより身近に感じられたので、こうした経験をマイクロソフトで活かしたい」と、IT系の会社でありがちな新製品をただ押しつけるという経営からの脱却をはかりたいと述べた。
「コンシューマ向けとエンタープライズ向けでは求められるものが異なる。エンタープライズでは、どんなすばらしい製品よりも信頼される企業であるかどうかが大事。Plan-Jを引き続き推進することで、日本市場において尊敬される企業となるよう活動したい」と、抱負を述べた。
なお、樋口氏が時期社長になるとした一部報道に関して、ヒューストン氏は、「現時点ではそのような予定はない。ただし、樋口氏はIT業界で豊富な経験を持っており、将来的に社長となっていただくこともあり得る」と述べ、数カ月以内の社長交代に関しては否定した。
■ URL
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
プレスリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2982
( 福浦 一広 )
2007/03/05 15:33
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