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ネットワークサービス事業本部 事業企画部 プロジェクト部長の河嶋英治氏
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富士通株式会社は3月5日、店頭やショーウインドウ、展示品ごとなどの限定されたスポットエリアにワンセグコンテンツを配信するシステム「スポットキャスト」を開発したと発表した。
スポットキャストは2~3mほどの範囲内のみにワンセグ映像を配信するシステム。これにより、「例えば、ショッピングセンターの各テナントごとに、イベントやタイムサービス情報を配信したり、観光施設などで展示品ごとに、多国語別に情報を案内したり、商店街において、グルメ情報やバーゲン情報を速報することも可能」(ネットワークサービス事業本部 事業企画部 プロジェクト部長の河嶋英治氏)になる。
技術的には、ワンセグ限定仕様の変調器LSI技術を利用。配信する電波を微弱電波に限定しているのが特徴。これにより、消費電力を半減し、送信機自体の小型化や熱設計の簡素化を実現した。また、効率的な圧縮が可能なH.264圧縮技術を活用した富士通独自のアルゴリズムを採用。これにより、高い映像品質を提供できるとのこと。
配信におけるポイントとしては、送信機単体で配信が可能な点と、コンテンツ配信のスケジュール設定機能を備える点。送信機自体にUSBとLANインターフェイスを備えるため、コンテンツをUSBメモリに保存して配信することも、LAN経由で遠隔から配信することも可能だ。
河嶋氏は、「取り外し自由なUSBメモリから配信可能なので、コンテンツの管理が非常に楽。また、LAN経由で情報発信することも可能で、例えば、情報をリアルタイムに更新して、駅ターミナルで時間帯に応じた交通情報などの情報を提供することもできる」と説明。アイデア次第でさまざまな利用シーンの可能性がある点をアピールした。
富士通では、同システムを夏ごろまでに製品化する方針。機器の導入コストとしては、送信機のみで数十万円。そのほか、ある程度の専門知識が必要となるコンテンツの作成自体も、サービスとして提供する意向をみせた。
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スポットキャストの技術
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スポットキャストのネットワーク構成
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スポットキャスト送信機
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■ URL
富士通株式会社
http://jp.fujitsu.com/
プレスリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2007/03/5.html
( 川島 弘之 )
2007/03/05 16:09
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