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「モバイルデータ保護の分野でトップを目指す」-ウティマコ


独Utimaco Safeware、CEOのマーティン・ヴュルファート氏

ウティマコ、代表取締役のヤーン・ボスフェルド氏

SafeGuard Enterprise 5.0 概要
 ウティマコ セーフウェア株式会社(以下、ウティマコ)は3月7日、包括的なデータ暗号化スイート「SafeGuard Enterprise 5.0」を発表した。5月末より日本語版を提供開始する予定。併せて、代表取締役のヤーン・ボスフェルド氏と独Utimaco Safeware、CEOのマーティン・ヴュルファート氏から事業戦略が説明された。

 ヴュルファート氏は、企業が直面する課題として、「モバイル化が進んだことで端末自体の紛失の可能性が高まっただけでなく、リムーバブルメディアの紛失なども深刻化している。メールやアウトソース先から情報漏えいする場合も増えているし、内部の社員が不正にデータを持ち出してしまうケースも後を絶たない」と、情報漏えいの経路が複雑化している点を指摘。

 そうした状況では、「ファイアウォールで壁を作り、インフラを保護するだけでは不十分。企業間の情報伝達に対応するためにも、データ自体を保護することが必要」(ヴュルファート氏)とした。

 こうした課題に対して、Utimaco Safewareが提供してきたのが、SafeGuardシリーズ。各端末に保存された情報を暗号化する「SafeGuard Shield」、メールやリムーバブルメディアなどによって転送される情報を暗号化する「同 Transit」、電子署名や暗号鍵の保護などを行う「同 Process」の3つから構成され、情報の保存場所や伝達方法にかかわらず包括的な暗号化が実現できる。

 同シリーズによって、欧州を中心に飛躍的な成長を遂げてきたUtimaco Softwareだが、「現在のセキュリティ事情を考えると、個別の対策をバラバラに提供するのではなく、統合的なアプローチへと意識変革する」必要が生じてきたのだとヴュルファート氏は語る。

 そこで開発されたのが、今回のSafeGuard Enterprise 5.0。HDD、PDA、スマートフォンなどの暗号化やOS起動前認証、ファイル・フォルダ単位の暗号化、メール暗号化などの包括的な機能が提供され、中核の「Management Center」で一括管理することが可能となる。まさに“統合”をキーワードとした製品だ。

 日本市場のニーズに応えるため、2005年に設立したウティマコでも、同製品を積極的に展開する方針。「同社の売り上げはまだ全社の売り上げの2%程度だが、同製品の発売を推進力として、今後大きな飛躍を目指したい」とボスフェルド氏は語る。5月末の日本語版発売に向け、現在ローカライズや法規制への対応、機能拡張に注力している同社だが、4年以内に7億5千万円の売り上げを達成し、モバイルデータ保護の分野においてトップの地位を確立したい」と意欲を見せた。

 その成功の鍵としてボスフェルド氏は、「世界規模で協業しているパートナーとの関係を強化するとともに、国内での販売パートナー拡充が急務。重要顧客の絞り込みを図るとともに、市場ニーズの把握やブランド認知の向上など、マーケティング施策も推進していく」とした。



URL
  ウティマコ セーフウェア株式会社
  http://www.utimaco.jp/


( 川島 弘之 )
2007/03/07 17:27

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