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常務執行役員 BTO事業担当の遠藤隆雄氏
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日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は3月13日、BTO(Business Transformation Outsourcing)などを手がけているアウトソーシングビジネスの一環として、標準ベースで早期導入が可能なBPS(Business Processing Services)を、国内でも展開することを明らかにした。2007年第2四半期にも開始する。「市場のすそ野を拡げ、初年度100社程度の顧客を獲得したい」(常務執行役員 BTO事業担当の遠藤隆雄氏)。
BTOとは、業務アウトソーシングの一形態。システムに付随する業務までを含めて、トータルで委託する形になる。日本IBMではこれを、「業務を単純にまとめて外部に委託するのではなく、ビジネスプロセスや組織、人材、ITを継続的に変革し、委託元の企業価値を高めていくことを目的にしている」と説明する。
同社では、2004年からBTO業務をスタートし、第一号として三井生命から10年間の営業事務作業を受託。その後も、対前年80%、同50%と2年続けて高い成長率を記録するなど、実績を上げてきた。運営にあたっても、日本アイビーエム・ビジネスサービスや日本アイ・ビー・エム人財ソリューションといった子会社の設立や、BTOセンターの開設などによって体制を整えている。
その日本IBMが今回取り組むのがBPSだ。これは、「当社のノウハウを生かして標準化されたビジネスプロセスを、ITを利用してお使いいただく」(遠藤氏)もの。各企業の業務形態を見直すところまで踏み込むBTOとは異なり、標準プロセスの導入によって、イノベーション、コスト削減の早急な実現を目指す。「おおよそ2~3カ月で導入でき、たとえば購買のソリューションであれば単価が下がっていく、というように、コスト削減のメリットは1年目からどんどん出せる」(遠藤氏)という。提供にあたっては、成果に応じて対価を受け取る成功報酬制の導入も検討されている。
具体的なソリューションとしては、購買のほか、研修、I2C(Invoice to Cash:売り掛け・債権回収)、文書管理、人事といったもの提供する予定で、SOAベースの考え方によって、サービスをいろいろな形で組み合わせられるようにするという。料金体系では従量制の導入が検討されており、たとえば購買ソリューションでは購入量、人事ソリューションでは社員数といったわかりやすい指標を用いて、価値を評価しやすい、買いやすいビジネス体系になるよう気を配るとした。なお業務システムへは、インターネット経由でアクセスする形態をとる。
サービスの対象は大企業にこだわらず、中堅・中小企業などへも幅広く展開したい考え。そのためにオンラインビジネスでの展開を積極的に行うほか、パートナーとの協業も考慮していくとのことである。
■ URL
日本アイ・ビー・エム株式会社
http://www.ibm.com/jp/
( 石井 一志 )
2007/03/13 16:50
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