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マイクロソフトとゼンドが技術提携を強化-Windows Server上でのPHP開発を共同支援


マイクロソフト、プラットフォーム戦略本部 業務執行役員 本部長の大場章弘氏

ゼンド、取締役の佐藤栄一氏
 マイクロソフト株式会社とゼンド・ジャパン株式会社(以下、ゼンド)は3月27日、Windows Server上でのPHPサポート分野における両者の協業関係を強化すると発表した。本協業は、2006年10月に発表された米Zend Technologyと米Microsoftの技術提携に基づいたもの。

 マイクロソフト、プラットフォーム戦略本部 業務執行役員 本部長の大場章弘氏は、本協業の背景として、Web市場でのWindowsのプレゼンスが増大している点を挙げる。「多くの大企業や13億/日トランザクションを処理するようなコンシューマWebサイトにおいても、WebサーバーとしてIISを採用するケースが増えている。また最終的なホスト先はLinuxであったとしても、多くの開発者がWindows上で開発・コーディングを行っている」と説明。しかし一方、課題としては「PHP開発者のスキルやWindowsとPHPの相互運用性などにおいて、現状では足りない部分がある」点に言及した。

 そうした背景を踏まえて、Windows Server上でのPHPサポートを強化することが本協業の目的だ。大場氏は「今回の協業により、PHPユーザーは、WebサーバープラットフォームとしてLinux/Apacheだけでなく、Windows Serverを選択することが可能になる。またWindowsユーザーは、開発言語としてWebサイト開発で広く使われているPHPを選択できるようになる。Web開発者にプラットフォームの選択肢を提供することが、今回の提携の柱」と本協業の意義を語った。

 提携活動として両社はすでに、IISプラットフォーム上でのPHPのパフォーマンスを向上させるIIS・PHP間モジュール「FastCGI」の共同開発などを行っている。本協業の具体的な内容としては主に、そうした技術的協力をさらに進めるとともに、コミュニティへ貢献していくこと。「その一環として、今後日本においては、Webサイトを通じて技術情報を発信したり、開発情報をフィードバックしたり、共同セミナーや展示会での共同ブース出展などの普及啓発活動にもはげんでいく」(大場氏)とした。

 ゼンド、取締役の佐藤栄一氏は、「当社製品のWindows対応も進めていく」と説明。同社では、3月にPHPバイナリ、データベースドライバ、管理用GUIをまとめた、コンパイル不要のPHP環境インストーラ「Zend Core 2」にFast CGIを組み込んで製品化したが、その日本語版を4月に発売する予定だ。また、PHP実行環境での運用監視などを行う「Zend Platform」Windows対応版も、4月に日本語版を発売する予定とのこと。

 さらにこうした活動とともに両社は、次期Windows Server製品「Longhorn Server(開発コード名)」上でのPHPパフォーマンスの維持・向上も行っていく予定。佐藤氏は、「LonghornでのWebサーバーシナリオを検討し促進していくかたわら、Zend Core 2やZend PlatformのIIS 7.0への実装計画を進めていく」と同社の今後のロードマップを明らかにした。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  ゼンド・ジャパン株式会社
  http://www.zend.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.zend.co.jp/press/2007/press0327.php


( 川島 弘之 )
2007/03/27 17:07

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