Enterprise Watch
最新ニュース

ISA、2006年は「もっとも成功した1年」-活動成果を報告


Itanium Solutions Allianceチェアマンのカーク・スカウゲン氏

2006年の活動結果
 Itanium Solutions Alliance(ISA)は3月29日、Itanium Solutions Allianceチェアマンであるカーク・スカウゲン氏(米Intelデジタル・エンタープライズ事業本部 副社長兼サーバー・プラットフォーム事業部長)の来日にあわせて、報道関係者を対象に会見を開き、2006年における全世界における活動成果などについて説明した。

 スカウゲン氏は、「2006年は、最も成功した1年」と前置きし、「アライアンスメンバーが100億ドルの投資を表明したこと、Itanium 2プロセッサに消費電力あたりの性能が2.5倍に拡大するなど、Itaniumの大幅な進化が図られた。また、対応するアプリケーションが1万2000に達し、わずか1年で倍増したことを新たに発表できる。さらに、当初は23社でスタートしたアライアンスメンバーが、約150社に達したほか、Itaniumサーバーの導入実績は10万台を超えた。加えて、1四半期で10億ドル規模のサーバー出荷を初めて達成し、2006年後半には、システム金額でインテルアーキテクチャーが初めて市場の50%を超えたことも報告できる」などと、2006年におけるさまざまな成果を羅列してみせ、「アライアンスは成功しないものも多いが、Itanium Solutions Allianceは、最も多くのコラボレーションを生み出したものといえる」などとした。

 1年間で約6000の対応アプリケーションが増加したうち、Windows、Linux、UNIXが3分の1となっており、全体でも半数以上をWindows、Linuxが占めている。また、日本固有のアプリケーションソフトなども増加している。

 また、スカウゲン氏は、RISCからの置き換えが進展している事例のほか、スペースシャトルや災害対策、自動車のクラッシュテストのシミュレーションなど幅広い分野で活用されている事例を示し、「1年半前は上位100社のうち、40社程度にしかItaniumが導入されていなかったが、いまでは80社に導入されている。上位20の電力会社のうち、19社がItaniumを導入している」とした。

 さらに、「Itaniumには、メインフレームの近代化、RISCの置き換え、大規模なハイパフォーマンスコンピューティングへの応用といった3つのターゲットがある。2010年に向けて、さらなる進化を遂げ、クアッドコア化も図られる。これにより、世界最高のトランザクション性能を確立できるだろう。Itanium Solutions Allianceは、Itaniumの進化にあわせて、ソリューションスタックの最適化を推進する。サーバーの稼働率は一般的に15%程度といわれるが、仮想化技術などで引き上げていくことも可能で、そのための支援体制なども構築する」とした。

 Itanium Solutions Center Networkを全世界12カ所に開設。1万2000のアプリケーションを、OS別や地域別で検索できる形で公開するItanium Solutions Catalogの提供などのほか、「2010年に向けて複数世代のItaniumプロセッサを開発中であること、新たなアプリケーションを増やすために、さらにエコシステムの強化などを図っていく予定」とした。


Itaniumプロセッサ対応アプリケーションも増加 Itanium Solutions Center Networkを通じてリソースを提供

日本地域委員会代表の西川岳氏

国内での販売実績

国内での活動状況
 一方、Itanium Solutions Alliance 日本地域委員会代表の西川岳氏(NEC第一コンピュータ事業本部長)が、日本市場におけるミッションクリティカル分野への取り組みなどについて説明した。

 冒頭、西川氏は、2007年までにRISCサーバー市場の5割をItaniumで獲得する当初計画を、昨年10月には、6割へと引き上げたことについて改めて触れ、「この目標についても、2006年第4四半期には、64%のシェアを占め、すでに計画を上回った」と、日本市場において、順調にItaniumが広がっていることを示した。

 スカウゲン氏も、「全世界で、Itaniumの普及が最も先行しているのが日本だ」と認める。

 ISAでは、2007年の日本における活動計画として、1)大規模データベースシステム利用のためのWindowsサーバーのスケールアップ、2)Linuxサーバーによるミッションクリティカルシステムの構築、3)大規模マルチプロセッサによるHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)―を掲げている。

 大規模データベースシステム利用のためのWindowsサーバーのスケールアップでは、Japan Windows on Itaniumの活動を継続。Windowsサーバーにおける信頼性に関するホワイトペーパーの作成やLonghorn Serverビジネスに向けての早期導入プログラムの導入支援などを行う。

 一方、Linuxサーバーによるミッションクリティカルシステムの構築においては、今後重点的に力を注いでいく分野と位置づけ、開発支援プログラムとして、Linux開発者向けのItanium Solutions Center Networkの開設や、レッドハットとの協業により、Linux版デュアルコアItaniumプロセッサの貸し出しおよびOSインストール、サポートなどを行うほか、レッドハットが開催する「東京レッドハット會議」に併催する形で、「Developer Days for Linux」を開催。Linuxの技術者に対して、ミッションクリティカル分野におけるLinuxの動向と、機能紹介を行う。また、UNIXからLinuxへの移行技術検証や、ソリューションスタックの検証、オープンソースコミュニティとの連携などを進めるという。

 これにより、オープンスタンダードとしてのItaniumの普及を進め、ミッションクリティカル分野におけるRISCやメインフレームからの置き換えを促進する考えだ。



URL
  Itanium Solutions Alliance
  http://www.itaniumsolutionsalliance.org/japanese/


( 大河原 克行 )
2007/03/29 13:24

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.