|
事業開発本部・宗像義恵本部長
|
|
Intel World Ahead
|
インテル株式会社は4月9日、無線通信によるブロードバンドサービスとして規格化が進められている「WiMAX」に関して、その基本的な概要および標準化に向けた同社の取り組みなどプレス向けに説明会を開催した。
説明会では、まず事業開発本部の宗像義恵本部長が、インテルが世界的に取り組んでいる「Intel World Ahead」プログラムを紹介。「現在、地球上でインターネットにつながっているユーザーは約10億人といわれている。インテルでは、コンピュータ技術を活用することで、次の世代のインターネットユーザーに向けて、より豊かで格差のない社会を築いていくための取り組みとしてIntel World Aheadプログラムを展開している」とし、「このプログラムを支える非常に重要な技術要素の一つとして、WiMAXを位置づけている」と述べた。
「Intel World Ahead」プログラムでは、「Accessibility」「Connectivity」「Education」「Content」の4つを注力分野としているが、このうち「Connectivity」の分野が、今回のWiMAXを始めとした無線技術、および有線技術を含めたブロードバンド接続技術への取り組みとなる。「日本はブロードバンド先進国といわれているが、これほどブロードバンド接続環境が進んでいる国はほかにはない。今後、世界的により多くのユーザーにブロードバンド環境を提供していくためには、世界どこでも使える標準化された無線技術が必要だ。インテルでは、WiMAX技術の標準化と実用化への取り組みを積極的に進めることで、ブロードバンドのインフラ環境をさらに広げていく」(宗像本部長)としている。
|
事業開発本部・庄納崇シニア・リサーチャー
|
|
WiMAXフォーラムのメンバー推移
|
次に、事業開発本部の庄納崇シニア・リサーチャーがWiMAX技術の基本的な概要、今後の展開、標準化に関する現状、技術動向などを説明した。
【お詫びと訂正】初出時、庄納氏の名前を間違って記載していました。お詫びして訂正します。
庄納シニア・リサーチャーは、既存の無線技術との関係について、「広域の無線ネットワーク環境を実現している携帯電話網と、スポット的に無線LAN接続を提供するWi-Fiの中間領域をカバーするのがWiMAXとなる。それぞれの技術とは補完関係を保つが、WiMAXはオープンなネットワークの下で実現される真のモバイルブロードバンド環境と位置づけられる」としている。
標準化の現状としては、「WiMAX規格の認証団体であるWiMAXフォーラムのメンバーが昨年から急増し、その勢力を急速に拡大している。具体的には、2004年春の時点で46社だったメンバー数が、現在は437社まで増えており、とくに、そのうち実際にWiMAXサービスを提供するサービスプロバイダのメンバーが33%と最も多くを占めていることからも、実用化への期待度が非常に大きいことが伺える。また、WiMAXの認証を受けるためのプログラムもすでにスタートしており、いよいよWiMAXサービスが現実になる段階に入ってきた」(庄納シニア・リサーチャー)と説明した。
|
|
|
無線LAN、携帯電話網とWiMAXの補完関係
|
WiMAXに対するインテルのコミットメント
|
WiMAXの展開
|
認証への取り組みに関しては、2005年7月に最初の認証ラボがスペインのAT4 Wirelessにオープンし、2006年1月に固定WiMAXの認証を得た初のワイヤレスブロードバンドネットワーク製品が登場している。現在は、モバイルWiMAXの認証に向けた活動を進めている状況で、2007年第2四半期をめどに第2の認証ラボを韓国のTTAに開設、さらに2007年第3四半期には第3の認証ラボを中国のCATRにオープンする予定。
こうしたWiMAXの現状を受け、インテルでは、特定のWiMAX技術に注力するのではなく、固定WiMAX技術からモバイルWiMAX技術まで幅広くカバーし、各種の標準化組織や規制策定組織に参加するとともに、世界的なモバイルインターネットエコシステムへの投資も進めていく方針。
今後の製品展開としては、2007年に「モバイルWiMAX Wave 2対応の外付けカード」、2008年に「デュアルモード、マルチモード携帯電話」、「UMPC/UMDへのWiFi-WiMAX内蔵化」、「ノートPCへのWiFi-WiMAX内蔵化」を予定しており、2009年にはグローバルなローミングができるマルチモード対応製品の投入を目指すとしている。
|
|
|
WiMAX認証のスケジュール
|
WiMAXにおけるインテルのリーダーシップ
|
インテルのWiMAX製品展開
|
■ URL
インテル株式会社
http://www.intel.co.jp/
( 唐沢 正和 )
2007/04/09 18:53
|