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「これからは情報をいかに“統合”して、どう“活用”していくかの時代」-米IBM


米IBMのシニア・バイス・プレジデント ソフトウェア事業責任者、スティーブ・ミルズ氏
 日本アイ・ビー・エム株式会社は4月10日、同社のソフトウェア事業戦略に関する説明会を開催。米IBMのシニア・バイス・プレジデント ソフトウェア事業責任者、スティーブ・ミルズ氏により、同事業分野の現状や注力点などについて説明がなされた。

 同氏はまず「WebShpere」「Lotus」「Information Management」「Rational」「Tivoli」といった5つのソフトウェア製品ポートフォリオを説明。これらを組み合わせて提供するサービスが事業推進の核であると話すとともに、「重要なことは、顧客の問題を解決するというマインドを徹底して持ち続けること。それが当社の成長の基盤になる」と今後の戦略をかいま見せた。

 「21世紀にはいるまではITを新規に導入するケースが多かったため、成長率としては高い伸び率を示していた。しかし現在ではだいぶインフラが行き渡ったことにより、成長率としてはスローダウンの傾向を見せ始めている。今後は導入した既存のシステムをいかに“統合”して、どのように“活用”していくかが重要になっていくだろう」(同氏)。

 そうした状況の中、顧客は大きく4つの問題を抱えていると同氏は語る。

 「1つ目はいかにビジネスプロセスを統合するかということ。次にビジネスの意志決定をいかに迅速化するかということ」(同氏)。これらには、IOD(Information On Demand)、SOA(Service Oriented Architecture)が今後も大きく貢献するだろうと同氏は話す。

 「3つ目が人材をいかに有効に活用するかということ。今後は社内でのナレッジマネジメントが欠かせなくなるはずだ。そして4つ目が情報技術の管理・最適化をどうするかということ」(同氏)。情報技術の管理に関しては、アプリケーション開発ツールであるRationalや、システム管理およびセキュリティツールであるTivoliによって優れたプラットフォームを提供することで支援していくという。

 「この4つの課題にフォーカスして、主に大手企業を対象にサービスを提供していく。ただし当社および市場がさらなる飛躍を遂げるには、中小規模企業(SMB)のマーケットも重要だ」(同氏)とした。その上で「SMB市場へ取り組んでいくためには、パートナーとの協調が必要不可欠」として、今後もパートナーとのコラボレーションを重要視していく姿勢をのぞかせた。

 また同氏は、ワールドワイドで顧客のニーズに応えるため、世界中に60のラボラトリを有する点を強調。「世界中の顧客にローカルに対応するために、ワールドワイドに展開する当社の現行ビジネスモデルは今後も継続していく」意向を示した。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/


( 川島 弘之 )
2007/04/10 16:14

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