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「キャリアグレード製品をエンタープライズにもお届けします」-米JuniperクレンズCEO


スコット・クレンズCEO
 ジュニパーネットワークス株式会社は4月10日、事業戦略説明会を開催。米Juniper Networks(以下、Juniper)のスコット・クレンズCEOが業界のトレンドや自社の方向性などを説明した。

 2006年のJuniperの売り上げは23億ドル。同社がキャリア向けのビジネスに強いのは周知の通りで、売り上げ全体の2/3がxSPとキャリアからのものだという。しかしクレンズCEOによれば、エンタープライズ向けビジネスの成長率は対前年比25%以上の伸び率を示しているとのことで、ビジネス全体(同12%増)の伸びを大きく上回っている。

 こうした現状についてクレンズCEOは、「当社が積極的というよりも、エンタープライズの顧客に引っ張られている」と話す。「顧客は自分たちのネットワークはNTTやKDDIのそれと同じくらい重要だと話しており、キャリア向けと同じレベルの信頼性、パフォーマンスを持った製品を適切な価格で提供してくれれば、市場が広がると言われている」と述べた同CEOは、引き続き高いレベルで市場の成長が期待できるとの見通しを語っている。

 そして「当社では、顧客のニーズにあったベストインクラスの製品を提供しているし、もっとも大きなキャリアネットワークのアプリケーション、サービスの要件として厳しいものを満たしてきた実績がある。また、それと同じレベルの技術を政府・企業に提供してきた。その結果として、高いパフォーマンス、非常に高いセキュリティの要件にも応えているだけでなく、小さな支店からエンタープライズクラスまでのさまざまなサイズ、スケールの製品を用意できる」と自社の強みを説明。エンタープライズ向け市場に対しても強力にアピールできるとの自信を示した。

 また今日の企業では、IT予算が限られている中で、保守に充当しなくてはいけない割合が増え、戦略的な投資に多くの予算を回せなくなっている。クレンズCEOは、こうした状況を改善するために、「運用コストを下げ、予算のイノベーションにかかわる部分をあげていかねばならない」とも述べる。

 続けて同CEOは、改善のための鍵となるのはアプリケーションの配信だと指摘。「アプリケーションとネットワークが一体化している現在では、世界の長距離のコミュニケーション、アプリケーションをネットワークで管理できる。つまり、(当社のWAN/サーバーアクセス最適化製品である)WX/DXシリーズに古いアプリケーションの最適化を任せて、たくさんの時間を新しいアプリケーションの作成に割けるようになったということだ」と語り、顧客の改善を支援できると主張した。

 一方、今後の方針については、「これまでは買収を数十億ドルかけてやってきたが、本来フォーカスしているのは開発で、今年だけでも5億ドルを研究開発に投資している」とコメント。「当社は、セキュリティとネットワーキングの製品をすべて持っているので、包括的な製品を提供できるのが強み。顧客にとっても、セキュリティ、WAN、ネットワーク、といった製品を別々に買うよりも、1つのコントロールポイントで管理できる一括した製品を望んでいる」とも述べ、自前で開発した製品群、買収によって得た製品群の統合を最優先に開発を進めるとの考えを示している。



URL
  ジュニパーネットワークス株式会社
  http://www.juniper.co.jp/


( 石井 一志 )
2007/04/12 08:40

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