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デルがエンタープライズ戦略を発表-業界標準技術でさらなる成長を図る


 デル株式会社は4月16日、エンタープライズ事業に関するプレス向けの説明会を開催した。説明会には、同社代表取締役社長のジム・メリット氏などが出席。法人顧客向けの同社の今年度の戦略等を発表した。

 同社では、「クライアント」「エンタープライズ」「サービス」「ソフトウェア/周辺機器」とビジネスを4つの分野に分けて展開している。今回の説明会では、このうち、エンタープライズとサービスに関する今年度の戦略が紹介された。


アドバンスド・システムズ・グループ本部 本部長の町田栄作氏
 エンタープライズ分野を担当する、アドバンスド・システムズ・グループ本部 本部長の町田栄作氏は、「デルのビジネスの基本は、業界標準テクノロジーを利用している点にある。サーバーにおいても、レガシーシステムやUNIXサーバーから、IAサーバーへ移行が進んでおり、エンタープライズにおいてもデルの強みを活かしていける」と、業界標準こそが同社の強みであると強調。業界標準を利用することで、運用管理の簡素化、オープンなソリューションの最適化、そして顧客価値の最適化に貢献する、スケーラブル・エンタープライズ戦略を展開するとした。

 この戦略を実現する上で、重要となるのが各種パートナー企業。「業界標準テクノロジーを採用しているからこそ、パートナー企業とともにユーザーのニーズに応えていける。デルでは、EMCとの提携をはじめ、セキュリティ、アプリケーション、データベース、OSなど各分野でパートナーと提携しており、さまざまなソリューションを提供できる状態にある」(町田氏)と、顧客のニーズに応える体制が整っているとした。「メインフレームなどレガシーシステムからの移行という点では、日本はアメリカに比べて4~6年遅れている。ここにデルにとっての商機がある」(町田氏)と、パートナーと協力して、確実に対処していく考えを示した。


ソリューション・サービス・デリバリー本部 本部長の諸原裕二氏
 サービス分野を担当する、ソリューション・サービス・デリバリー本部 本部長の諸原裕二氏は、「デルが提供するサービスは、新システムの導入・活用を支援する“デプロイメント”、IAサーバーに特化した“プロフェッショナル・サービス”、顧客の個々のニーズに対応する“プレミア・エンタープライズ・サポートサービス”、PCのライフサイクル管理のアウトソースサービス“マネージド・サービス”、および“トレーニング”の5のサービスを提供している」と紹介。

 これらのサービスの特長として、IAサーバーに特化している点を強調。「業界標準に特化することで、他社と比べてサービスのスピードが速いのが特長。また、ハードウェア、OS、アプリケーションまで組み合わせを把握していることから、サイジングやチューニングなどのスキルレベルが高いのも特長。こうした点をユーザーから高く評価していただいている」(諸原氏)と、業界標準に特化している強みをあらためて説明した。


代表取締役社長のジム・メリット氏
 2004年度から2007年度までの3年間の同社の累積成長率は31%超。エンタープライズ分野に限ると10%超に、サービス分野では66%以上と、業界平均を上回る成長となっている。メリット氏は、「米国でのエンタープライズ分野の割合は、日本よりも大きい。逆にいえば、日本市場ではまだまだ成長の余地があるといっていい。今後、エンタープライズ分野で10~15%、サービス分野では30~50%の成長を目標としている」と、両分野ともにさらなる成長を目指す考えを示した。


エンタープライズ分野の成長率 サービス分野の成長率


URL
  デル株式会社
  http://www.dell.com/jp/

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( 福浦 一広 )
2007/04/16 18:37

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