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米AdobeチゼンCEO、「Apolloは携帯電話などPC以外でも使えるようにする」


米Adobe Systems CEOのブルース・チゼン氏
 アドビシステムズ株式会社は4月17日、米Adobe Systems CEOのブルース・チゼン氏の来日に合わせ、事業戦略説明会を開催した。説明会では、開発中のApollo(コード名)など、同社の今後の取り組みなどを紹介した。

 同社が発表した2007年度第1四半期(12~2月)決算を見ると、売上高は6億4940万ドル、営業利益は2億2250万ドル、純利益は1億8230万ドルと、ほぼ前年並みという結果となった。チゼン氏は、「目標としていたものよりは上回る結果で、堅調なビジネスを展開できた」と説明。Macromediaとの統合効果については、「統合から1年以上になるが、旧Macromedia製品のAdobeブランドでの展開や両社製品の統合など、正直ここまでうまくいくとはおもわなかった」と、統合は順調に進んだと述べた。

 エンタープライズ事業については、「20億ドル規模の市場があるとみている。RIA(リッチインターネットアプリケーション)に関しては、企業の従業員でもあり一般ユーザーである人々がコンシューマ分野でさまざまなリッチな体験をしており、企業でも同様にRIA環境を利用するメリットがあると見ている」と、ColdFusionやLiveCycleなどの製品を引き続き展開していく考えを示した。

 また、米国時間の4月16日に発表されたAdobe Creative Suite 3(以下、CS 3)や、ApolloをベースとしたAdobe Media Playerなどを紹介。「CS 3は、13のアプリケーションと7つのテクノロジーで構成されている。(創業から)25年の間でもっともエキサイティングなリリースだ。また、Adobe Media Playerは、FlashビデオをDRM対応のスタンドアロン環境で再生することが可能になる」と述べた。

 Apolloに関しては、「PDF、HTML、Flash、Ajaxなどを統合したプラットフォーム」(チゼン氏)と、革新的なプラットフォームであると強調。「革新的でありながらも、開発者にとっては慣れ親しんだテクノロジーを生かせるのが最大の特徴」と、追加スキルを必要としないApolloの利点を紹介した。説明会では、パブリックアルファ版を用いたApolloのデモも実施。HTMLにFlashをオーバーレイすることで、ページをめくるようにWebページを表示するアプリケーションなどを紹介した。


Webページを雑誌風に表示するアプリケーションをデモ Flashのテクノロジーを活かして、ページをめくる感覚も体験できるようになっている

 Apolloの製品版について、チゼン氏は「まずはMacとWindowsに対応した製品から出荷し、その後Linuxをサポートする予定だ。携帯電話などPC以外の端末のサポートも考えており、現在どの機能をサポートするかを検討中。最終的には、LCDのあるデバイスならばすべてApolloが使えるという状態になることを目標としている」と、さまざまな端末でApolloが動作するようにする考えを示した。



URL
  アドビシステムズ株式会社
  http://www.adobe.co.jp/

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( 福浦 一広 )
2007/04/17 16:49

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