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米salesforce.comベニオフCEOが来日会見-「日本もオンデマンドが確実に浸透」


米salesforce.com会長兼CEOのマーク・ベニオフ氏

代表取締役社長の宇陀栄次氏
 株式会社セールスフォース・ドットコムは4月19日、米salesforce.com会長兼CEOのマーク・ベニオフ氏の来日記者会見を開催。日本市場で、確実にオンデマンドコンピューティングが浸透している現状を説明した。

 ベニオフ氏は、Salesforceの利用者数に触れ、「全世界で2万9800社、ユーザー数で64万6000ユーザーがSalesforceを利用している。このうち、日本のユーザーはこの1年の間で40%増加するなど、米国に次いで2番目の規模にまで成長した」と、日本市場で確実にオンデマンドコンピューティングが浸透していると述べた。

 日本での成果として、ベニオフ氏は日本郵政公社と三菱UFJ信託銀行でSalesforceが採用された事例を紹介。「日本市場は、(短期ではなく)何年にもわたってコミットしなければ成功しない市場。今回、この2社でSalesforceが採用されたことは、弊社にとっては大きな意味がある」と、金融業や政府系企業など保守的といわれる企業が導入したことで、日本市場で確実に評価されているとした。同社代表取締役社長の宇陀栄次氏は、「これらの採用もすぐに決まったものでなく、日本郵政公社の場合で1年半かけて理解していただいた。そのおかけで、Salesforceを今後拡張可能なプラットフォームととらえていただき採用していただけた」と述べた。

 また、オンデマンドアプリケーションのためのプラットフォーム「Apex」を中核とした同社の戦略「Circle of Success」を実現する製品群が整いつつあることも紹介。「Circle of Successでは、アイデアから製品の開発・販売、プロモーションまでを同一プラットフォーム上で実現できる。このプラットフォームさえあれば、他のアプリケーションを利用しなくてもよくなる」と、同社プラットフォームを利用するメリットを強調した。

 日本語に対応したオンラインコミュニティ「Successforce.com」や、パートナー企業の支援サービス「AppExchange Incubator」など、デベロッパーを対象とした支援策も強化。具体的な成果として、Salesforceの顧客情報からセキュアなドキュメント配信を可能にするコクヨの「@Tovas for AppExchange」や、フィードパスのSaaS型Webグループウェア「feedpath Zebra」とSalesforceの連携サービス「feedpath Zebra for AppExchange」も発表された。

 なお、AppExchange Incubatorについては、「日本法人のオフィスが移転を予定しているので、移転後には日本にもインキュベーションセンターを設置する予定」(ベニオフ氏)と述べた。



URL
  株式会社セールスフォース・ドットコム
  http://www.salesforce.com/jp/


( 福浦 一広 )
2007/04/19 17:55

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