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代表取締役社長の木村裕之氏
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株式会社シマンテックは4月19日、プレス向けに戦略説明会を開催。代表取締役社長の木村裕之氏らが、2007年度の同社の戦略について話した。
まず2006年度について振り返った木村社長は、「あっという間で、大きな成果があった1年だった」と話す。11月までかけて、ベリタスとシマンテックの日本法人の統合を完了させたほか、統合前に両社が持っていたチャネルパートナーに対しても取り扱い製品の拡大を働きかけ、ほぼパートナーラインも統合できたという。
また、合併時の社員数約400名から500名規模へ人員も拡充。秋の九州支社設立、11月末のシマンテック総合研究所設立などによって、地域・事業の拡大も行った。製品に関しても22の新製品を投入し、バックアップ、データセンター向けなどのソリューションを強化している。こうした成果を誇った木村社長は、「製品、ソリューション、パートナーが拡大し、ビジネスが順調に推移した」と昨年度を総括した。
その一方で2007年に向けては、「ITリスクの増大」「複雑性の解消」を柱にしてビジネスに取り組んでいくという。「ITのリスクが生活全般に与える影響がこれほど大きくなったのはこれまでになかった。また、複雑性を増す企業の中で管理コストの増大が問題になっている。当社のエンタープライズ向けソリューションでは、この2つの解消をテーマに提供していく」(木村社長)。
エンタープライズ向けでは、そうした方針のもとで営業部隊を増強する考え。通信、金融、政府向けなど業種に特化した営業部隊を強化するほか、トップ50、トップ500といったラージアカウント向けの営業体制も整えていくという。このうち、政府機関については、シマンテック総合研究所と協力して展開する。またパートナー戦略としては、「特にテクノロジーパートナーと呼ばれる日本のコンピュータベンダとのつながりを強化する。日本の営業、技術、サポートチームだけでなく、本社のエンジニア、トップを含めたチームを組み、アライアンスを組んでいく」(木村社長)とのこと。
ミッドマーケットに関しては、二次店への支援強化、トレーニングの提供強化など、各種パートナープログラムの充実へ力を注ぐとともに、一次店との協力によって、地方展開を強めたい意向。あわせて、米Symantecが買収したAltirisの資産管理ソフト分野でも、ビジネス展開を具体的に進めるとしている。
また木村社長は、近年盛んになってきているサービスビジネスに対しても、積極的に参入していく姿勢を示す。まずISPビジネスを強化し、現在大きなシェアを得ているウイルス対策ゲートウェイに加えて、「スパム対策、バックアップソリューションを訴求していきたい」と次なるターゲットを説明。エンタープライズ向けのマネージドサービスやリモートモニタリングサービスにも力を入れるほか、米Symantecが発表したばかりのオンラインバックアップサービスについて、「日本ではこれからだが、1つの大きなソリューションとして強い期待をしている」とコメントした。
なおシマンテックではサービスビジネスへの本格的な取り組みに備えて、4月1日付けで専任部署を立ち上げた。今後、関係各部署との協調のもとで、ビジネスを拡大していくとのことである。
■ URL
株式会社シマンテック
http://www.symantec.co.jp/
( 石井 一志 )
2007/04/20 11:01
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