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日立、2006年度連結決算を発表－増収も327億円の赤字 |
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売上高は、ストレージ関連製品やサービス事業が伸張した情報通信システムなどを中心に、金融サービスを除く全部門が前期を上回り、8％増となった。営業利益は、電子デバイス、高機能材料など伸長した部門があったものの、情報通信システム、電力・産業、デジタルメディア・民生機器などが減益。95億円の代行返上益減少、デジタル家電製品の販売投資増加、開発費増加などに加えて、電力・産業システムにおいて、原子力事故対策や海外火力プラント建設の追加費用を一括計上したことなどがこたえた。もっとも、中間発表時に下方修正した数字よりは、223億円上ぶれしている。 部門別では、情報通信システムが売上高で対前年比5％増の2兆4722億円、営業利益で同29％減の603億円で、増収減益。より詳細に見ると、ソフトウェア/サービス分野は売上高が対前年比8％増の1兆1453億円、営業利益が同1％増の842億円。金融機関向けソリューション事業、アウトソーシング事業が好調で、前年の代行返上益計上（約70億円）による減益要因を、サービス事業がカバーした形という。 ハードウェアは、ディスクアレイサブシステムが対前年比9％増と好調を継続。ハードウェア全体の売上高は対前年比2％増の1兆3269億円だったものの、営業損益は240億円の赤字となった。次世代通信機器やサーバーの開発投資注力によって投資金額が増加したほか、HDD事業の赤字が増大したことが主な要因とのこと。 電子デバイス部門は、売上高が対前年比7％増の1兆2874億円、営業利益が124％増の457億円。中小型液晶への経営資源集中により、ディスプレイ事業が伸長。230億円強の改善を見せた同事業が3年ぶりに黒字化した。子会社の日立ハイテクノロジーズは増収増益を継続している。 デジタルメディア・民生機器部門は、売上高が対前年比15％増の1兆5060億円と増収になったものの、営業損益は584億円の赤字。プラズマテレビなどの薄型テレビやDVDカメラが伸長したほか、白物家電では冷蔵庫・洗濯乾燥機などの高付加価値製品が伸長し、売上高は増加。しかし、価格下落の影響や、冷夏によるルームエアコンの販売不振で、営業損失が前年より200億円以上悪化した。 そのほか、電力・産業システム部門は、売上高が対前年比8％増の3兆222億円、営業利益が同61％減の363億円。高機能材料部門が、売上高は対前年比12％増の1兆7945億円、営業利益が同20％増の1323億円。物流およびサービス他部門が、売上高でほぼ前年並みの1兆2135億円、営業利益が対前年比4％増の202億円。金融サービス部門は、売上高が対前年比3％減の5000億円、営業利益が同33％減の235億円となった。
セグメント別では、情報通信システム部門の売上高は対前年比2％減の2兆4200億円、営業利益は、同21％増の730億円。ハードウェア事業では、引き続きディスクアレイサブシステムの伸長を見込むほか、PC・サーバー事業やHDD事業の改善も計画する。重点施策としては、グローバル市場でのプラットフォーム事業拡大、システムソリューション事業の高収益化、コンサルティング事業を基軸としたサービス・グローバル事業の拡大などを計画する。 赤字が続くHDD事業は、2.5型、3.5型、エンタープライズの各分野へ経営資源を重点的に投入し、新製品の投入を加速。2007年度の新製品比率75％を目指す。また、「コスト削減の徹底を図り、継続的に固定費削減と歩留まりの改善を進める。ベンダとの交渉も継続、徹底的にコストを下げていく」（執行役専務の中村豊明氏）。 このほかのセグメントにおける2007年度売上高見通しは、電子デバイスが1兆2350億円、電力・産業システムが3兆4000億円、デジタルメディア・民生機器が1兆6300億円、高機能材料が1兆8100億円、物流およびサービス他が1兆2000億円、金融サービスが4800億円など。 ■ ＵＲＬ 株式会社日立製作所 http://www.hitachi.co.jp/ ニュースリリース http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2007/05/0516.html
（ 石井 一志 ）
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