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2006年度の総出荷実績
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ブレードサーバーの出荷台数
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社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は5月24日、2006年度の国内サーバー・ワークステーションの出荷実績を発表した。同調査は、メーカーによる自主参加統計であり、国内市場の約90%を網羅している。
オープンサーバー全体の出荷台数は前年比7%増の50万8869台、金額は6%減の5888億9400万円となった。そのうち、IAサーバーは、台数が9%増の44万9708万台、金額では3%増の3088億2600万円。UNIXサーバーは、台数が6%減の5万9161台、金額が13%減の2800億6800万円となった。
IAサーバーのうち、ブレードサーバーは、38%増の3万7427台。上期が前年同期比23%増の1万5519台であるのに対して、下期は50%増の2万1908台と増加。「ブレードサーバーは、今後も高い成長が続き、IAサーバー市場の成長を牽引することになる。2007年度も、2006年度並の成長が期待される」(同協会サーバ市場専門委員会)としている。
また、今回の統計で、IAサーバーの出荷金額が、初めてUNIXサーバーの出荷金額を上回った。
「UNIXサーバーは、1000万円~4000万円未満および4000万円以上の価格帯だけで、年間360億円もの出荷規模が縮小した。上位価格クラスの減少が大きく影響したほか、IAサーバーへの分散も影響している」とした。
IAサーバーは、50万円未満の低価格帯での需要が減少したものの、中上位クラスでは台数金額ともに増加。さらに、製造業、サービス関連、公共関係の需要に加えて、販売業における導入が拡大した。
IAサーバーの出荷実績を価格帯別に見ると、50万円未満は台数が4%減が31万2193台、金額は8%減の1478億3800万円、50~100万円未満の価格帯は、台数で75%増の11万5611台、金額で53%増の1039億7200万円と大幅に伸張。100~300万円未満は台数が前年並みの2万782台、金額が17%減の432億6100万円、300万円以上が台数で25%減の1121台、金額は27%減の137億5500万円となった。
UNIXサーバーでは、100~300万円未満の価格帯で伸張しており、台数では3%増の1万9958台、3%増の593億3700万円となったが、他の価格帯では台数、金額ともにすべてマイナス成長となった。UNIXサーバーの産業別出荷動向では、サービス関係、公共関係、製造業が引き続き多いという。
一方、メインフレームは、出荷台数が前年同期比8%減の872台、出荷金額は7%減の1801億1700万円となった。
当初の見通しでは、860台、1740億円としていたことに比較すると、それを大きく上回る実績となっている。「国家公務、地方公務、金融分野において、高度の信頼性が要求される社会インフラシステムの中核としての根強い需要があったのが要因」としている。
オフコンやミニコンなどの独自OSサーバーは、10%減の3183台、9%減の316億3400万円、ワークステーションは、3%減の14万6746台、4%減の511億12000万円となった。
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IAサーバーの出荷実績
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UNIXサーバーの出荷実績
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メインフレームの出荷実績
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また、同協会では、2009年度までの需要予測を発表した。
メインフレームは、2006年度に予想を上回る実績となったものの、台数、金額ともに減少していくとの見方を示しており、2007年度は820台、1653億円、2008年度には780台、1571億円、2009年度は740台、1493億円とした。
UNIXサーバーは、これまでは台数では3%増、金額では2%減で推移すると予測していたが、これを見直し、台数で2%減、金額では5%減で推移すると予測。2007年度には5万8000台、2661億円、2008年度には、5万6900台、2528億円、2009年度は5万5800台、2402億円としている。「性能向上の一方で、システム価格の下落が進展する」とした。
IAサーバーは、これまでの予測では、台数では10%増で推移すると予測していたが、2007年度で9%増の48万1200台、2008年度には7%増の51万0100台、2009年度には6%増の53万5700台と、成長率が徐々に鈍化すると予測。一方、金額については、これまでの予想通り、5%増のままで推移するとし、2007年度は3243億円、2008年度は3406億円、2009年度は3577億円と予測した。
「これまで部門ごとに分散導入されていたサーバーが、上位機やブレードサーバーなどに集約されていくと考えおり、今後のシステム単価は上昇傾向にある」としている。
オープンサーバー全体では、2007年度には、台数で前年比6%増、金額で前年並みを予測している。
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メインフレーム需要予測
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UNIXサーバー需要予測
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IAサーバー需要予測
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2006年度の年間IT投資総額の増減傾向
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IT投資分野ごとの増減傾向
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また、同協会では、ユーザーのサーバー投資需要調査を実施し、250社の有効回答をまとめた。
これによると、2006年度のIT投資は増加傾向にあり、とくに金融関連では83%が増加させたと回答した。また、バックエンドやフロントエンド、インターネット活用エリアといった投資に比べて、セキュリテイや事業継続といったITリスク関連エリアへの投資が増加しているという。
新規分野への投資比率は全体的には約2割としているが、金融、公益/通信といった業種での新規投資が比率が高い。
2006年度におけるサーバー購入状況では、約7割企業が購入したと回答。業種別には金融で100%の企業が導入。さらに、従業員1000人以上の企業での導入実績が85%となっている。購入サーバーの種類では、Windowsサーバーが圧倒的に多いほか、オープン系サーバーにおけるラックサーバーの比率は64%に、ブレードサーバーの比率は11%になった。
また、2007年度のサーバー購入予定動向では、Windowsサーバー、Linuxサーバー、ネットワークストレージ装置には旺盛な需要があるものの、UNIXサーバーの導入意欲はやや減少傾向にあることが明らかになった。
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2006年度のサーバー購入の有無
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購入サーバーの種類
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2007年度のサーバー購入予定動向
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■ URL
社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
http://www.jeita.or.jp/japanese/
( 大河原 克行 )
2007/05/24 14:34
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