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マイクロソフト、サーバープラットフォームビジネス本部 プロダクトグループ シニアプロダクトマネージャの古川勝也氏
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SCOM 2007の概要
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F5ジャパン、シニアプロダクトマーケティングマネージャーの武堂貴宏氏
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マイクロソフト株式会社とF5ネットワークスジャパン株式会社(以下、F5ジャパン)は5月29日、ネットワーク監視分野において協業すると発表した。F5ジャパンの新管理アプライアンス「ControlPoint」に、マイクロソフトの統合運用管理ソフト「Microsoft System Center Operations Manager 2007(以下、SCOM 2007)」を組み込んで、BIG-IP用の監視製品として提供する予定。
SCOMは、これまでは「Microsoft Operations Manager」として提供されてきた、企業のIT環境における包括的なサービス監視のソリューション。今回よりブランド名が刷新され、最新版となるSCOM 2007では、サーバー・クライアント・アプリケーションのほか、ネットワークの監視にも対応。さまざまなリソースの稼働状態を常に監視することで、障害を未然に防ぎ、復旧支援を行う。また、「管理運用ノウハウを凝縮した管理パックが提供されるため、監視対象の知識を必要せずに容易に利用できる」(マイクロソフト、サーバープラットフォームビジネス本部 プロダクトグループ シニアプロダクトマネージャの古川勝也氏)点も大きな特徴となる。
今回の協業では、マイクロソフトがF5ジャパンに対してSCOM 2007をOEM供給し、2007年12月にリリース予定のF5ジャパンのControlPointに組み込まれる予定。SCOM 2007の技術を利用することでControlPointでは、「アプリケーションに安全性、高速化、安定感をもたらすために設置・稼働しているF5製品の状況をグラフィカルに表示。そこを流れるトラフィックからデータを収集、分析、レポートする」(F5ジャパン、シニアプロダクトマーケティングマネージャーの武堂貴宏氏)ことが可能になる。
F5ジャパンでは、2006年にもアプリケーション負荷分散装置「BIG-IP」用の補助ツールとして「F5 Enterprise Manager」をリリースしている。こちらが、BIG-IPの一括設定やデバイスの互換性チェック、ステータス監視やSSL証明書の集中管理など、BIG-IPのデバイス自体を“管理”するものであるのに対して、ControlPointは、BIG-IPを介したアプリケーション配信ネットワーク上で何が起こっているのかを“監視”するためのもの。武堂氏は「例えば、負荷分散先のサーバーのうち2台がダウンした際に、残された3台目の負荷が急増しているといった情報が迅速に取得できるようになる。状況が“見える化”することで次の対策が速やかに講じられる」とアピールした。
また、これまでは「ネットワーク上で障害が発生すると、なんでもBIG-IPのせいにされてしまいがちだった。BIG-IPがプロキシとしてすべての通信を関与しているため疑惑の目が向けられやすかったのだが、実はまったく別の要素が原因で障害となっている場合が多い。ControlPointはこうした場合の切り分け用ツールとなるので、BIG-IP管理者の負担は大きく低減されるはずだ」(同氏)とのこと。
ControlPointの価格は、およそ400~500万円になる見込み。
本協業では、逆にF5ジャパンからマイクロソフトに対しても、SCOM 2007向けにBIG-IP用管理パックが提供される。これにより、SCOM 2007を使ってもBIG-IPを監視することが可能になる。BIG-IPを監視したいユーザーにとっては、ControlPointアプライアンスを利用する方法と、SCOM 2007を利用する方法の2つの選択肢が提供される形だ。そのほか、マイクロソフト調布技術センターにF5製品を導入し、両社製品連携の検証を行うなど、積極的な技術交流を行っていくとのこと。
■ URL
F5ネットワークスジャパン株式会社
http://www.f5networks.co.jp/
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
プレスリリース
http://www.f5networks.co.jp/news/press/release/070529.html
( 川島 弘之 )
2007/05/29 17:40
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