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アドビ、Flash Videoの利便性を強調-コンテンツ保護や多様な広告配信にも対応


 アドビシステムズ株式会社は6月1日、Flash Media Serverや先日発表されたAdobe Media Playerなど、同社の映像配信ソリューションに関する記者説明会を開催。同社製品を使うメリットや今後の展開などを紹介した。

 冒頭、Flash Videoに対して低画質ではないかという誤解があると指摘。「YouTubeでFlash Videoが採用されているように、Flash Videoの使い勝手の良さは理解していただいている。しかし、YouTubeを見て(Flash Videoは)画質が悪いのではないかとおもわれている。YouTubeでは多くの人に見ていただけるように、あえて軽いフォーマットを利用しているだけ。決してFlash Videoの画質が悪いわけではなく、他の製品と遜色はない」(同社マーケティング部 Web&ビデオ部 部長の古村秀幸氏)と、クオリティに問題はないと強調。多くのPCでFlashが搭載されている点や、インタラクティブなコンテンツを作成できる点など、Flash Videoならではの強みを理解していただきたいと述べた。


米Adobe Systemsダイナミックメディア担当グループプロダクトマネージャーのクリス・ホック氏
 その例として、映像配信プラットフォームであるFlash Media Serverを紹介。米Adobe Systemsダイナミックメディア担当グループプロダクトマネージャーのクリス・ホック氏は、「Flash Videoは、広く普及しているFlashを利用しており、クロスプラットフォーム環境で見られるのが特長。また、ルック&フィールのカスタマイズが容易で、インタラクティブなコンテンツの作成にも最適」と紹介。

 「Flash Media Serverは、Flash Video配信用のバックエンドであり、アプリケーション開発のフレームワークでもある。Flash Media Serverは、ライセンスで購入し自社サーバーに組み込んで利用することも、ASP型のストリーミングサービスを利用することもできる」(ホック氏)と、柔軟に利用できる点を説明した。Flash Media Serverの技術を利用したサービスも生まれており、「たとえば、PhotobucketのようにWebベースのビデオ編集サービスを提供する企業もある」と紹介した。

 そのほか、Flash Media Encoderを無償で提供したり、メディア企業向けのパートナープログラムなどを展開していることも紹介。Flash Videoを利用することで、さまざまなビジネスチャンスが訪れるとした。


Flash Videoの利点 Photobucketの利用例。Webブラウザ上で動画の編集が可能 Flash Media Encoder。1対多のライブメディア配信に対応している

米Adobe Systemsダイナミックメディア担当グループプロダクトマネージャーのクレイグ・バーベリッチ氏
 それを実現する製品がAdobe Media Playerだ。4月に発表されたAdobe Media Playerは、Apollo(開発コード名)をベースに開発された動画再生用のデスクトップ製品。オンラインだけでなく、オフラインでの動画再生に対応しているのが特長。また、IDベースの認証などコンテンツの保護機能も充実している。製品版のリリースは北米では今秋、日本では2008年初頭になる予定。

 米Adobe Systemsダイナミックメディア担当グループプロダクトマネージャーのクレイグ・バーベリッチ氏は、「パブリッシャーは、オフライン環境の視聴者にどうリーチするか、また、オフラインで再生されたコンテンツの測定や、広告の配信はどうすればいいのかといった課題を抱えている。Adobe Media Playerはこうした課題を解決する製品。クロスプラットフォーム環境に対応し、オンライン・オフラインの両方に対応した広告のサポートなど、課金に対応している」とメリットを紹介。

 特にコンテンツ保護は強化されており、「広告付きの無料コンテンツの場合、コンテンツを複数人で共有することを許可するが、広告を削除したり、再編集することはできないようにしている。また、IDベースのコンテンツ保護を行っている場合は、複数人での共有はできないし、ダウンロードした機器でのみ閲覧できるなどの制限をかけることができる」(バーベリッチ氏)と、コンテンツパブリッシャーにとって利便性の高いプラットフォームであるとした。

 広告配信に関しても、動画内に広告を表示するバグ広告や、コンテンツの内容と連動したホットスポット広告などを配信することができる。「Adobe Media Playerは標準技術をサポートしており、こうした広告などもSMILを使って指定できる」(バーベリッチ氏)と紹介した。


Adobe Media Playerのトップページ。現在配信中の動画やお気に入りのコンテンツなどを表示できる オフラインコンテンツの再生にも対応 コンテンツパブリッシャーはカスタマイズしたページを用意することもできる

動画の左下に広告を表示することも可能 画面右下にはコンテンツ内と同じジャケットのアイコンを表示。クリックすると購入画面に切り替わる コンテンツ内で登場したジャケットをその場で購入可能


URL
  アドビシステムズ株式会社
  http://www.adobe.com/jp/

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( 福浦 一広 )
2007/06/01 15:30

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