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米Google シニアプロダクトマーケティングマネージャのKevin Gough氏
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グーグル株式会社は6月7日、Google Enterpriseを担当している米Google シニアプロダクトマーケティングマネージャのKevin Gough氏の来日に伴い、同社の企業向けビジネスの現状に関する説明会を開催。Google Appsの取り組み状況などを紹介した。
コンシューマ向けという印象が強いGoogleが企業向けビジネスに取り組んでいることについて、Gough氏は「VoIPや分散型コンピューティング、ストリーミングメディアなど、革新的なテクノロジーがコンシューマ向けの製品で実現している。また、これらを利用しているユーザーは、企業で働いてユーザーでもある」と述べ、企業においてもコンシューマ向けの技術が受け入れられる土壌があると説明。「企業システム導入の際、ITマネージャはテクノロジーの特長を見て判断をするが、それでは成功しない。なぜなら、成否は利用するユーザーが決めることだからだ。ユーザーが使わないようなシステムは、たとえ優れたテクノロジーであっても失敗したシステムになってしまう」と、利用者の視点に立つ重要性を強調した。
同社では、こうした観点からGoogle検索アプライアンスとGoogle Appsという2製品を企業向けビジネスとして展開している。
Google検索アプライアンスは、企業内のさまざまなコンテンツを対象とした企業内検索システム。中小企業向けのGoogle Miniから、大規模環境向けまでさまざまな製品を用意している。「Google検索アプライアンス向けに新たに用意されたOneBox機能を使うと、静的な情報だけでなく、ERPなどからリアルタイム情報を検索することができる。Google検索アプライアンスのシンプルなインターフェイスから、企業内のさまざまな情報にアクセスできる」(Gough氏)と、企業にとって利用価値の高い製品であるとした。
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メールシステムを自社構築した場合とGoogle Appsを利用した場合の一人あたりのコスト比較
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Google Appsは、メールやスケジューラ、ワープロ&表計算ソフトなどをSaaS形式で提供するWebサービス。企業向けに用意されている有料のGoogle Apps Premier Editionでは、独自ドメインを利用したメールサービスや、メールストレージ容量の拡大、99.9%のメールサービスの稼働保証、統合APIの公開などが提供されている。「企業はGoogle Appsを利用することで、自社内にメールサーバーを構築する必要がなくなる。また、さまざまなデバイスからアクセスすることもできる」(Gough氏)と、コスト面でも利便性でもメリットがあると説明。「推奨するわけではないが、Google Appsをスパムフィルタ代わりに使っている企業もある」と、さまざまな使い方が可能であることも紹介した。
今後の展開については、「先日発表した(Webアプリケーションをオフラインでも利用可能にする)Google Gearsなどは、Google Appsにも反映させたいテクノロジーだ。Google Gearsは、すべてのWebアプリケーションで利用できるので、利用価値は高い。もちろん、現在公開されているものをそのまま使っていただいても何の問題もないので、Google Appsに反映するのを待たずに使うことはできる」と紹介。「われわれは既存のソフトやハードがなくなるとはおもっていない。OneBoxで実現しているように、検索クエリを複数のビジネスアプリケーションに投げるなど、既存ソフトと簡単に統合できる環境を目指している」と、企業向けビジネスにおいても利用者の視点で便利になる機能・製品を提供していく姿勢を示した。
■ URL
グーグル株式会社
http://www.google.co.jp/
( 福浦 一広 )
2007/06/07 19:12
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