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米Avaya社長兼CEOのルイス・J・ダンブロシオ氏
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世界市場におけるIP回線販売台数推移
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日本アバイア株式会社は6月14日、米Avayaのルイス・J・ダンブロシオ社長兼CEOの来日にあわせ、プレスブリーフィングを開催。グローバルおよび日本におけるIPテレフォニー市場の動向や同社の事業戦略などを説明した。また、6月5日に発表されたSilver LakeおよびTPG Capitalとの合併契約についても触れ、その背景などを説明した。
Avayaは、IPテレフォニーを始め、コールセンター、メッセージング、カンファレンシング関連市場におけるリーディング企業。まず、ダンブロシオ社長はAvayaの現状について、「Avayaは50億ドルを超える売上規模、8億ドルを超えるキャッシュをもち、負債はゼロ。フォーチュン500の90%の企業が当社の顧客になっており、全世界でみると、1億以上のユーザーがAvayaの技術を使っている。また、販売パートナーとしては、4000社を超えるISVが参加し、なかにはAvayaのIPテレフォニー向けアプリケーションに特化して開発している企業もある」と述べた。
IPテレフォニー市場のグローバル動向については、「毎年、回線数はトータルで約5000万回線がグローバルで出荷されている。そのうち、VoIP対応回線の比率をみると、2003年は20%にも満たなかったが、2007年は75%を上回るまでに急成長している。しかし、回線全体の市場規模に比べると、VoIP対応回線の市場規模は小さいのが現状。2008年でトータルの回線数は累計4億5200万回線に達すると予測されるが、そのうちVoIP対応回線の比率は37%であり、まだまだ市場拡大の余地はある」と、大きな市場成長が期待できることを強調した。
Avaya製品の導入事例としては、メジャーリーグ球団のボストン・レッドソックス、東芝、DHLジャパンを挙げ、とくにレッドソックスについては「Avayaの技術を高度に活用し、球場に設置された電話機のスクリーンから、天候や試合スケジュール、新しい選手の紹介などの情報提供を行っている。私自身はニューヨーク・ヤンキースが好きなのだが、まだAvayaの顧客ではないので、いまはレッドソックスの応援に力を入れている」と、ジョークを交えながら説明した。
日本市場に関しては、世界の中でも重要な地域の一つと位置づけており、「日本法人は現在120人の社員で堅実に運営されている。ビジネスパートナーは14社で、CTCと三井情報がプラチナムパートナーとなっている。今後、さらに日本市場への投資を加速化していきたいと考えている」と意欲を見せた。市場ポジションは、IPテレフォニー市場についてはNEC、富士通、OKIの国内企業に次ぐ第4位となっているが、「外資系企業ではトップシェア。しかも5位のシスコに比べて2倍近いシェアをもっている」と力を込めた。また、コールセンター市場では、コールセンター向けアプリケーションでトップシェアとなっているほか、コールセンターエージェントでは2位以下を引き離してのトップシェアを確保しているという。
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日本でのIP電話市場シェア
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日本でのコールセンター向けアプリケーション市場シェア
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日本でのコールセンターエージェントシェア
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今回のプレスブリーフィングでは、先日発表されたSilver LakeおよびTPG Capitalとの合併契約についても説明が行われた。ダンブロシオ社長兼SEOは、「合併後もAvayaという社名は変わらず、戦略、社内体制、使命もこれまでと変わることはない。変わるのは業務の実行スピードがより速くなるということ。また、上場企業ではなくなる一方で、柔軟性が向上し、顧客の長期的なビジネス目標にあわせた投資が行えるようになる。そして、最高クラスのコミュニケーションテクノロジーを“ゴールドスタンダード”として、顧客に提供し続けていく」と述べ、今回の合併は買収ではなく、あくまでビジネスをさらに加速させるための株主変更であることを強調。「今後は、勝つための戦略に力を注いでいく」と意欲を見せた。
■ URL
日本アバイア株式会社
http://www.avaya.co.jp/
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( 唐沢 正和 )
2007/06/14 18:51
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