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日本オラクルが米SENA Systemsと協業、ID管理分野で先進ノウハウの取り込みを図る


日本オラクルの常務執行役員 システム製品統括本部長、三澤智光氏

豊富なノウハウを持つSENA Systemsが日本オラクルとそのパートナーへ支援を行うことで、プロジェクトの成功を目指す

米SENA Systemsのマニーシュ・バンダーリ会長
 日本オラクル株式会社と米SENA Systemsは6月27日、日本オラクルのID管理製品群「Oracle Identity Management」の導入支援で協業すると発表した。日本オラクルでは、金融機関を中心に豊富な導入実績を持つSENA Systemsのノウハウを国内パートナーへ還元することで、ID管理ソリューションの展開拡大につなげていく考え。SENA System側でも、この提携によって、国内支社の設立も視野に入れてビジネスの拡大を図る。

 日本オラクルの常務執行役員 システム製品統括本部長、三澤智光氏は、「日本版SOX法対応への準備期間である現在、監査法人からアクセス制御・統制の不備に関する指摘を受ける企業が増えており、ID管理への取り組みの動きは加速している」と現状を説明する。しかし実際にID管理ソリューションを導入しようとしても、国内のベンダはまだまだ経験が足りず、ノウハウの積み上げもできていない状況とのことで、この問題解決のために、海外の先進的ノウハウの輸入が求められていた。

 そこで日本オラクルでは、グローバルでのOracleのパートナーであり、古くからID管理ソリューションの導入を手がけるSENA Systemsと協業。同社から日本オラクル、ならびにパートナー企業の重要顧客、戦略的プロジェクトなどへ技術支援を受け、日本国内で不足している大規模ID管理基盤の構築ノウハウを輸入する。日本オラクルでは、ノウハウを積極的にパートナー企業へ公示することで、不採算プロジェクトの発生などを抑止し、パートナー企業のリスク軽減を図りたい意向だ。

 「大規模ID管理基盤の構築では、スコーピングや要件定義が初期フェイズで重要になるが、かなり経験のあるコンサルタントでないと前さばきがうまくいかない。また前さばきがうまくいかないとのちのち赤字プロジェクトになってしまう。このあたりではノウハウが非常に重要になるので、苦労しがちなパートナーのID管理プロジェクトを、この協業によって円滑に進めていきたい」(三澤氏)。

 SENA Systemsの創業者であるマニーシュ・バンダーリ会長によれば、同社には日本語を話せるID管理担当のスタッフが4名おり、まずは彼らが日本向けビジネスを担当する。今後は増員や、日本支社の設立も検討しているという。実際の提供サービスとしては、プリセールス段階での要件収集・定義にかかわる支援から、詳細なトレーニングの提供、アダプタの展開に際した開発作業、全段階を通じた技術サポートなど広範囲にわたる。すでに、金融分野の大規模な案件で日本オラクルのパートナー1社を支援しているとのことで、順次ほかのパートナーとも契約していく予定である。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1749

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( 石井 一志 )
2007/06/27 16:37

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