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マイクロソフト、10番目の支店「四国支店」を香川県高松市に開設


ダレン・ヒューストン社長が四国支店の成功を祈願し達磨に片目を入れる
 マイクロソフト株式会社は7月3日、香川県、愛媛県、徳島県、高知県の4県を担当する「四国支店」を開設した。

 四国支店は日本では10番目の支店で、所在地は香川県高松市サンポート2-1。JR高松駅目の前にある高松シンボルタワー21Fに設けられ、600平方メートル弱の拠点となっている。他の支店と同様に、オフィス内にはパートナー企業が利用できるセミナールーム、技術検証が行えるサーバールームなどが用意されている。


JR高松駅から歩いて1分弱のところに位置する高松シンボルタワーに四国支店が開設された ヒューストン社長が「マイクロソフトの拠点の中でも、最もよい景観のオフィス」と評したビルの裏側にある入り江 開店を祝してマイクロソフト幹部によって支店開設記念テープカットが行われた

ダレン・ヒューストン社長

楠瀬博文支店長
 支店長には、広島県にある中四国支店でパートナー担当をしていた楠瀬博文氏が就任した。従業員数は7月3日現在、営業2人、総合事務2人の4人体制。早期に営業1人、SE1人を増員し、当面は6人体制での事業運営を目指す。

 ダレン・ヒューストン社長は、四国支店開設の狙いを次のように説明した。

 「従来の支店は、営業所的な色合いが強かった。しかし、当社が新たに開設している支店は、地域におけるアウトリーチセンター的役割を持ち、地元と密接な関係を作るためのもの。四国四県のGDPは日本全体の3%に過ぎないといわれるが、実はタイやフィンランド、マレーシアなどの国と同等のGDPを持っている。当社が支店を開設する意味は、十分にあると考える。また、四国にはわれわれにとって重要なお客様の本社が多数存在する。例えばジャストシステム様は、時には競合となることもあるが、パソコン黎明期からのパートナー企業でもある。また、穴吹工務店、セシール、タダノといった企業が、この地に拠点を構えている。その一方、中小企業の多くがITの利活用を十分に行えていないという現実があり、支店開設によって中小企業のIT利活用を推進する触媒の役割を当社が果たしていくことができればと考えている」

 支店長に就任した楠瀬氏は、就任前は広島にある中四国支店に所属。中国地区および四国地区のパートナー支援を業務としていた。それだけに四国の企業のIT活用の実態として、「四国の企業は、実は四国外からSIサービスを受けているケースが多い。そのため企業にとっては付帯コストがかかることになり、さらに地域のSIサービス事業が育たないということにもなりがち」と指摘する。


支店を新たに開設する要因のひとつでもある全国IT推進計画2007 支店の役割 四国支店の2010年に向けた目標

 マイクロソフトでは四国支店を通じ、地域のパートナー企業の支援にも力を入れていく計画だ。

 具体的には現在は168社の登録パートナーの数を3年後の2010年に300社へ、認定技術者などを擁する認定パートナーを22社から40社へ、認定技術者の数も270人から1000人に拡大。売り上げについても、ライセンス売り上げを年平均20%成長させることで、現在の170%増とすることを目標に掲げる。

 「帝国データバンクさんの調査によれば、四国地域には670社のIT事業所があるという。今回、掲げた目標が達成できれば、四国のIT企業の半分にリーチできることになる」(楠瀬支店長)

 実際に四国の企業の注目度も高く、今年2月に高松で「マイクロソフトカンファレンス」を開催したところ、当初は100人程度が参加すると見込んでいたものの、実際には400人の応募があった。


エリアビジネス統括本部業務執行役員の小川秀人統括本部長
 マイクロソフトでエリアビジネスを担当するエリアビジネス統括本部業務執行役員の小川秀人統括本部長はこうした実態を踏まえ、「これまでは情報を発信するといっても、対象は東京や大企業中心になりがちだった。中小企業や自治体と共にビジネスを行っていくためには、地域に根ざしたビジネスを進めていく必要がある。支店の役割は、地域に密着した活動を行うことで、セミナールームやラボを用意し、地元のパートナー企業や教育機関などと連携するための、ハブとなっていくこと」と強調した。

 実際に徳島県上勝町では、過疎化と高齢化が進んでいる中、会席料理などの付け合わせなどに使われる木の葉などを高齢者が採取し、パソコンを駆使して需要があるものを都会に出荷する「彩事業」が大きな成功を収めている。

 マイクロソフトのヒューストン社長はこの事例について、「これは当社と富士通で協力して実現したビジネスで、ITを活用することで新しいビジネスを起ち上げていくことは十分に可能となる証明」と強調した。


 当日、18時からは香川県知事の真鍋武紀、衆議院議員の平井たくや氏、後藤田正純氏などの来賓を招いて、開設記念レセプションが開催された。

 ITに強い平井たくや衆議院議員が最初に来賓挨拶を行い、マイクロソフトへの率直な意見を述べた。

 「私と後藤田先生が初当選した2000年は、IT基本法が施行された年でもある。私もITについてはいろいろと勉強させていただいて、ビル・ゲイツさんと直接会って、お話する機会にも恵まれた。そのとき、『バージョンアップをするたびに、お金を払わなければならなくなるマイクロソフトのビジネスは、どういうことだ!』と苦情をいわせてもらった。すると、ゲイツさんは、『確かにその指摘には一理あるが、われわれはバージョンアップによって得た収入を、セキュリティ対策や教育支援といった次につながるところにつかっている』という説明を受けた。確かに、マイクロソフトさんの行動をあらためてみると、いろいろな活動をされている。四国支店も地域企業育成という新しい種をまくものだと実感している」

 その後、真鍋香川県知事、後藤田衆議院議員などの来賓と、マイクロソフト幹部が揃って鏡割りを行い、四国支店開設を祝った。


四国支店開設を記念し、同日の夕方開催されたレセプション レセプションでマイクロソフトに辛口のエールを送った平井たくや衆議院議員


URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3104


( 三浦 優子 )
2007/07/04 00:00

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