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ダレン・ヒューストン社長
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マイクロソフト株式会社のダレン・ヒューストン社長は、「政府調達において、原則としてマイクロソフト製品を新規購入しない」という一部報道の誤報に対して、訪問先の香川県高松市で、本誌の単独取材に応じた。
ヒューストン社長は、「なぜ、こうした誤報が起こるのかわからない」と前置きし、「マイクロソフトは、インターオペラビリティ(相互運用性)やオープン化に対して、積極的な活動を続けてきている。標準化という点では、Office Open XMLがEcmaで承認されており、さらに、ISOでもこれが承認プロセスのなかにある。標準化という点では、阻害される要素はなにもない」とした。
Microsoft Office WordやMicrosoft Office Excelを含むOffice製品群の文書ファイルフォーマット「Office Open XML」は、Ecma International によって、「Ecma Office Open XML File Formats」として国際標準に認定。さらに、Ecma International から ISO/IECに国際標準として提出されており、2007年後半から2008年には、ISO/IECにおける標準認定の判断が出る見込みだという。
また、「政府の調達ガイドラインは、明確な指針のもとに提示されており、誤解を招きようがないと考えている。政府が示す中立的な姿勢は、マイクロソフト製品を排除するものではないことは明確である」とした。
今回の報道に対して、総務省が記事を否定する見解を迅速に発表したことに対しては、「大変感謝している。政府とマイクロソフトの関係がフェアな関係のもとに、信頼を構築できていることをご理解いただけたと感じている。マイクロソフトは、世界各国の導入/調達事例を通じてもわかるように、フェアな関係を築き上げることに務めており、世界中の顧客に対して、公平な視点で選択していただけるような活動を行っている」とした。
ヒューストン社長自身も、かつて出身国のカナダ政府に勤務した経験があり、政府の公平性に対しては、自らの体験をもとに、日本政府に信頼を寄せているという。
総務省では、公式な見解として、「政府調達の基本指針では、調達仕様書の要求要件として、オープンな標準を優先して記載するということのみを定めており、オープンな標準に準拠した製品等を提案として求めるにとどまるものであって、提案された製品等を調達するか否かは、その他の要求要件とも照らし合わせて総合的に評価し決定されるものであることから、そのプロセスを経ずに、原則として、WordやExcelを購入できなくなるということはない」としている。
ヒューストン社長は、この報道を聞いた際に、「マイクロソフトのみならず、多くの関係者に対して、決してプラスにはならないと考えた。中央官庁、地方公共自治体、ユーザーなどに混乱を招く可能性がある」と懸念したものの、「最初から誤報であるということは明確であったため、自分自身は驚いたり、焦ったりすることはなかった。マイクロソフトがオープン化、標準化に取り組んでいる企業であることを示す機会にもなると考えた」としている。
7月3日に高松市で行われた四国支店開設記念パーティーのあいさつでも、ヒューストン社長はこの問題に触れ、「総務省から、この報道が誤報であるとの発表があった。地方自治体の方々も安心して導入していただきたい」とコメント。そのあとにあいさつした平井卓也衆議院議員も、「政府がマイクロソフト製品を使わないということではない。政府の選択肢は多く用意されている時代である」とした。
■ URL
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
プレスリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3123
( 大河原 克行 )
2007/07/04 00:21
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