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「証跡管理のPDCAサイクルを回せる」、富士通がミドルウェア「Systemwalker」をアピール


ソフトウェア事業本部 ミドルウェア事業統括部 第二ミドルウェア技術部のプロジェクト課長、堀江隆一氏

現在の証跡管理においては、運用ルール策定から対策チェックまでのPDCAサイクルを回すことが重要だという
 富士通株式会社は7月11日、先ごろ提供を開始したミドルウェア製品群「Systemwalker」の新版「同 13.2」についてのプレス向け説明会を開催。IT全般統制における証跡管理分野において、Systemwalker製品群を活用することのメリットを、ソフトウェア事業本部 ミドルウェア事業統括部 第二ミドルウェア技術部のプロジェクト課長、堀江隆一氏が解説した。

 内部統制におけるIT全般統制においては、ITシステムの運用管理体制の監査が必要となる。その際に企業ではログ管理のソリューションを多く導入してきたが、堀江氏はこれらについて「これまでは運用が効率的にできていれば良かった。しかし本来は統制が効いているのかを確認することが重要だ」と指摘する。

 そして堀江氏は、ログを単に取得するだけでなく、運用ルールを策定し、対策し、チェックし、問題があれば対応するといったPDCAのサイクルを回すことが重要になってくると主張した。現在のログ管理手法では、取得・保管が中心で、集計と検索手段の提供が行われてはいるが、内容を吟味することについては恒常的には行われていない。そこで富士通では、収集・保管したログを定期的に点検可能なソリューションを用意し、問題の予防と監査のためのチェックを恒常的に行えるようにしたというのである。

 具体的には、まず、「Systemwalker Desktop Log Analyzer」が持つ分析機能により、情報漏えいにつながる可能性のある操作の動向を数値化して提供する。これによって、リスク傾向の把握が可能になるだけでなく、分析結果をもとにセキュリティポリシーの見直しを行うことにより、情報漏えい対策の効果的な運用につなげられるという。

 加えて、万が一の情報漏えい時に、流出経路や被害状況を確認できるソリューションも用意した。クライアントPCの一括管理を行うための「Systemwalker Desktop Keeper」によって、クライアントPCで記録された各種ログを関連づけることにより、誰が、何のファイルを、どう操作したか、という点を追跡できるようにしている。さらに同製品は、ファイル持ち出しの際にファイル原本をサーバーに保管する機能を備え、持ち出されたファイルの内容を管理者が確認できる。「これによって、持ち出された時点のファイル内容を確認でき、情報流出の被害がどのくらいなのかを正確に把握できる」(堀江氏)。


Centric ManagerとEvent Agentによって各システムからログを収集し、横断的な検索を可能にする
 また証跡管理を効果的に行うためには、企業内には存在するさまざまなシステムのログを個別に扱うのではなく、「システム全体を横断的に分析することも必要になってくる」(堀江氏)。そこで、統合運用管理ツール「Systemwalker Centric Manager」とエージェントソフト「同 Event Agent」によって、分散された各サーバーのログを集積し、一元管理を行えるようにしているという。Systemwalker Event AgentによってWebサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバーなどから集められたログをSystemwalker Centric Managerで蓄積する仕組みで、収集したログの正規化作業も同時に行い、システムをまたがったユーザーのさまざまな行動の“見える化”も可能にした。

 あわせてこのソリューションでは、BIソフトである「Interstage Navigator」との併用で、点検レポートを利用した詳細な調査機能を提供する点も特徴。策定したルールに違反する操作を抽出し、不正の可能性がある操作についての調査を実施可能だ。

 「こうしたソリューションによって、単に対策するだけでなく、問題がないことを定期的に確認していくことが重要。もちろん問題があるならあるで、早期に対応する体制も整えられる。またシステム全体のログを横断した検索・分析によって、より広い視点からの点検が可能になってくる」(堀江氏)。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/

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( 石井 一志 )
2007/07/11 15:24

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