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ティブコと日本HP、Itanium 2サーバー上でのソリューション提供について協業を強化


日本HPのBI/EAIアライアンス担当マネージャ 藤本康秀氏(右)と、ティブコのSOAプロダクトマーケティングアナリスト スリニ・レッディ氏(左)
 日本ティブコソフトウェア株式会社(以下、ティブコ)と日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は7月17日、ティブコのミドルウェア製品と日本HPのIPFサーバー「HP Integrity」に関する協業を強化することを明らかにした。

 具体的には、ティブコの各製品のうち、CEPソフト「TIBCO BusinessEvents」とBPMソフト「TIBCO iProcess Suite」において、Integrityサーバー上での動作検証が完了した。すでに対応済みのEAIソフト「TIBCO BusinessWorks」とあわせて、同社の提供するソリューションをIntegrityサーバーベースで提供する準備が本格的に整ったことになる。

 その、Itanium 2を搭載するIntegrityサーバーは、これまでのRISCベースのサーバー比べて処理性能が向上しているほか、可用性・信頼性を向上させる仕掛けがさまざま盛り込まれており、ミッションクリティカル業務での利用においては、ほかのプラットフォームと比べて一日の長がある。また、インテルが開発する業界標準のプロセッサを用いていることから、「ロードマップも明確であり、長期にわたって価値を提供できる将来性がある点も強調できる」(日本HPの藤本氏)という。

 藤本氏はまた、「さまざまな仮想化技術をサポートするIntegrityを利用すれば、個別のアプリケーションが企業内で散在するばらばらな状況を、1台でまとめ上げることもできる」と話す。そもそも、ティブコの製品は企業内のシステムを統合・連携させるための製品だが、Integrityサーバーの大規模向け製品を用いれば、統合される側のアプリケーションも、それをまとめるティブコのアプリケーションも、1台のサーバー中へ入れ込むことが可能になる。藤本氏は、こうした点もアピールポイントとして挙げた。

 一方、ティブコのプロダクトマーケティング SOAプロダクトマーケティングアナリスト スリニ・レッディ氏は今回の協業強化について、「日本においてもItanium 2搭載サーバーベースのアプリケーションシステムについて引き合いが非常に多かったので、協業の領域を広げた」と語る。「日本HPとの協業により、ハードウェア・ソフトウェアの両面でのスケールアップ・スケールダウンが柔軟に実現可能になったが、これは大きなメリットだ」(レッディ氏)。


 この協業での対象市場としてはまず、両社ですでにSOAソリューションの納入実績がある金融業、通信業を狙う。あわせて、日本HPが強いリテール市場にも重点を置くほか、製造業、物流業においても積極的に市場を拡大する考えで、直販・パートナー経由の両チャネルで営業活動を行っていくという。「Integrityに移植され、動作検証をすでに済ませているということで、当社自身も、インテグレーションをするパートナーも、検証の手間をはぶいてすぐに構築作業に取りかかれるため、ビジネスサイクルの短期化が見込める」(日本HPの藤本氏)。

 具体的には、両社の担当レベルで双方の営業案件を集中的に管理し、両社の営業部隊やパートナーとの連携を図れるようにするほか、共同の広告やイベント開催、ブローシャの提供などを予定しているとのこと。さらに今後は、ビジネスロジックを「仮想化されたサービス」として適用できるようにするSOA製品「TIBCO ActiveMatrix」の領域にも、協業を拡大していく計画である。

「当社は真のSOAをインプリできる会社であると自負している。日本はSOAの波にようやく乗り始めた初期段階であり、SOAの実現にはステップを踏んでいかねばならないが、それを乗り越えて真のSOAのメリットを享受してもらいたい」(ティブコのレッディ氏)。



URL
  日本ティブコソフトウェア株式会社
  http://www.tibco.com/international/japan/
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/


( 石井 一志 )
2007/07/17 12:25

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