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SAP、2007年下半期の事業戦略を発表-エンタープライズSOA推進を図る


代表取締役社長のロバート・エンスリン氏

2007年上半期の業績
 SAPジャパン株式会社は7月30日、同社の2007年下半期のビジネス戦略に関する説明会を開催。同社代表取締役社長のロバート・エンスリン氏より、2007年上半期の成果と下半期の注力分野についての説明が行われた。

 同社の2007年第2四半期の売上は134億2000万円で前年同期比39%増と8四半期連続で成長。また、2007年上半期で見ても、売上は228億5000万円で前年同期比23%増と好調に推移している。

 この成果についてエンスリン氏は、「バリューエンジニアリングの導入により、顧客企業のビジネス価値の向上を最優先にして行動した成果。第2四半期を見ると、新規客が約半数。中堅・中小企業の伸びも大きい」と説明。「中堅・中小企業分野は、8四半期連続で2ケタ成長を実現しており、売上の25%程度を占めるまでに伸びている。弊社の担当者数も2年前は10数名であったが、現在では100名以上が担当している」と、大企業だけでなく、中堅・中小企業の開拓も順調に進んでいるとした。

 ワールドワイドで見た場合も、日本市場の位置づけが高まっているとエンスリン氏は説明。「グローバルの第2四半期の売上が17億1000万ユーロ。アジア太平洋地域は2億2200万ユーロで、このうち日本は8300万ユーロ。これは前年同期比で24%、昨年度の為替レートで見た場合は39%の伸びとなっている」と、円安傾向の中でも他地域と比べて大きく成長していると述べた。ユーロ高の影響については、「15%程度円安が進んでいるが、SAPジャパン自体は円ベースで事業を行っており、事業運営の面では大きな問題はない。また、価格に転嫁する予定もない。なにより、日本市場は拡大しているので、為替の影響を大きく気にすることはない」と、市場そのものが拡大していることから、為替の影響は限られたものであるとした。


2007年下半期のビジネス戦略
 2007年下半期については、引き続き顧客企業のビジネスに着目した展開を行うと説明。「CFOやCIOに対して、顧客企業への注力を引き続き行い、今後も顧客企業のビジネス価値向上を行う」と、顧客企業を重視した活動を継続的に行っていくとした。

 また、エンタープライズSOAやBPP(ビジネスプロセスプラットフォーム)の推進も図る。具体的な施策としては、「エンタープライズSOAコンピテンスセンター」を同社内に設立し、パートナー各社の製品との連携などを検証する。コンピテンスセンター以外にも、各コミュニティにおける日本企業の参加促進支援などを行うことで、パートナーエコシステムの推進も行っていくとしている。

 中堅・中小企業向けビジネスに関しては、SAP All-in-One製品群の充実とマーケティング・営業促進を図る考え。チャネルマーケティングサポートなどインフラ部分への投資を行うとした。



URL
  SAPジャパン株式会社
  http://www.sap.com/japan/

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( 福浦 一広 )
2007/07/30 14:22

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