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NEC、第1四半期連結決算は減収増益-モバイル事業の黒字化が貢献


取締役執行役員常務の小野隆男氏

2007年第1四半期セグメント別実績
 日本電気株式会社(NEC)は7月31日、2007年度第1四半期連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.3%減の1兆78億円、営業利益は、前年同期比42.5%増の113億円、経常利益は前年同期比203.4%増の82億円、当期純利益は前年同期比272.8%増の10億円と、減収増益となった。

 同社取締役執行役員常務の小野隆男氏は、減収の要因について、「モバイルターミナル市場の縮小と欧州の個人向けPC事業の売却によるもの。営業利益は前年同期比で34億円増加するなど、今期の目標達成に向け、着実なスタートは切れた」と、事業売却等により売上は減少したものの、ほぼ想定通りの成果であったと強調した。

 IT/ネットワークソリューション事業は、売上高が前年同期比4.2%増の5725億円、営業利益は前年同期比141億円減の156億円と減益となっている。前年度好調だったネットワークシステムの影響。

 IT/ネットワークソリューションのうち、ITサービス/SI分野は、売上高が前年同期比9.4%増の1599億円。ITプラットフォーム分野は、売上高が前年同期比8.9%減の1114億円。ネットワークシステム分野は、売上高が前年同期比9.1%増の2474億円。社会インフラ分野は、売上高が前年同期比0.9%減の538億円。

 「ITサービス/SIは、景気拡大を受けおおむね堅調。想定通りの利益を確保している。ITプラットフォームは光ディスクドライブの販売機能をソニーに譲渡したことのほか、前年同期にサーバーストレージの大型商談があったことが影響している。シンクライアントの大型受注など成長分野で成果も出ている」(小野氏)と説明。

 「ネットワークシステムは、海外のパソリンクが好調で売り上げ増に貢献している。ただし、前年度の通信キャリアのナンバーポータビリティへの投資影響もあり、キャリア事業では売上は減少している」とした。

 モバイル/パーソナルソリューション事業は、売上高が前年同期比16.8%減の2113億円、営業利益は前年同期比258億円増の96億円と、黒字を達成している。

 モバイル/パーソナルソリューションのうち、モバイルターミナル分野は、売上高が前年同期比10.0%減の840億円。パーソナルソリューション分野は、売上高が前年同期比20.8%減の1273億円。

 「おおむね、通期黒字化に向け順調にスタートしている。N703iμやN904iなど、デザイン性の高い携帯電話に高い評価を得ている。売上に貢献するよう、引き続き商品力強化を行っていく。パーソナルソリューション分野は、欧州個人向けPC売却などで出荷が減少。ただし、原価低減により、収益を確保している」と述べた。

 エレクトロンデバイス事業は、売上高が前年同期比0.2%増の2059億円、営業損益は前年同期比3億円減のマイナス44億円となった。

 エレクトロンデバイスのうち、半導体分野は、ゲーム機やパソコン向け半導体の売上増により、売上高が前年同期比5.1%増の1736億円。電子部品その他分野は、小型液晶ディスプレイの減少により、売上高が前年同期比19.7%減の323億円となった。


IT/ネットワークソリューション事業の実績 モバイル/パーソナルソリューション事業の実績 エレクトロンデバイス事業の実績

 なお、2007年度通期の連結業績予想については、売上高4兆7000億円、営業利益1300億円、経常利益800億円、当期純利益300億円と、変更は行っていない。小野氏は、「市場からの信頼回復が急務な状態。今期の業績を確実に復興させることが第一と考えている」と、引き続き通期黒字化達成を目指すと述べた。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  平成19年度 第1四半期連結決算概要
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0707/3101.html


( 福浦 一広 )
2007/08/01 00:00

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