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同社代表取締役社長の諸星俊男氏
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EMCジャパン株式会社は8月1日、7月1日付けで同社代表取締役社長に就任した諸星俊男氏の社長就任会見を開催。同社の今後のビジネス戦略などの説明が行われた。
諸星氏は、1953年生まれの53歳。1976年に富士通に入社以来、富士通において、ソフトウェア、ハードウェア、グローバル営業、サービスなどを担当。2003年には、米Fujitsu Computer Systems Corporationの取締役社長兼CEOに就任している。EMCジャパン入社前には、富士通の経営執行役として、プロダクトマーケティング本部長とグローバル戦略本部担当を兼務していた。
「昨年8月に米国から帰国して以来、いくつかの企業からコンタクトがあった。EMCを選んだ理由として、EMCという会社そのものにひかれたことと、(米EMC本社副社長を兼務するなど)本社においてEMCジャパンのポジショニングを認めていただけたことが大きな理由」と説明する。
EMCの強みについては、「2003年から積極的に戦略的買収を実施しており、ストレージだけでなく、セキュリティなどのプロテクション分野、仮想化やリソース管理などの最適化分野、情報管理などの活用分野と、情報のソリューションベンダーであるのが強み」と説明。「ただし、日本市場ではまだまだストレージが中心になっている。今後の課題として、本社が展開しているように、総合ベンダーとなるように活動していく」と、総合的な情報ソリューションベンダーに転換していくとした。
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保護・保存・活用・最適化の4分野に注力
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2003年から買収した企業
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EMCジャパンの現状について、諸星氏は、「ハードウェアビジネスは堅調に推移している。ソフトウェアビジネスに関しても同様。3年前より力を入れているパートナービジネスに関しては、NECとの戦略的なアライアンスやCTCとのアライアンス、ネットワーク系SIerとの関係強化など、強化策が具現化してきている」と、直販モデルからパートナービジネスに確実に転換していると強調。「サポートに関しては、日系企業に負けないよう力を入れ、さらなる満足度向上を図る。コンサルティングビジネスは、インフラ最適化など順調に立ち上がっており、今後も増やしていきたい」と、サービスビジネスを一層強化していくと述べた。また、VMwareやRSAなどグループ企業との協業を強めることで、ストレージの販売強化につなげたいとした。
また諸星氏は、日本市場でのビジネスを強化する上で、EMCジャパンの日本企業化を目標として掲げた。「これまでのEMCはグローバルで同じ製品を出したいという気持ちが強かった。しかし、日本市場において、必ずしもそのまま通用するとは限らない。単なる日本語化ではなく、日本化を行うことで、日本市場での競争力を高めたい」と、“日本化”を今後の課題とした。
そのほか、サービスレベルの向上、パートナーとのWin Winの関係強化、社員が長期間働ける会社、などを方針として掲げた。「日系企業に負けないサービスを提供することが日本化を行う上で重要。また、社員のリソースを有効活用することもEMCジャパンにとって必要なこと」と、社員の力を最大限引き出すためにも、働きやすい会社を目指すと述べた。
今期の目標については、「マーケットシェアの拡大を図る。具体的には、ストレージハードウェアで最低10%、15%を目標とする。ストレージソフトウェアでは最低15%、20%を目標とする。また、バックアップ・リカバリ&アーカイブビジネスの拡大、コンテンツ管理&アーカイブビジネス市場の立ち上げ・拡大を目指す」と、この1年間でシェア拡大を図る考え。中長期の目標としては、2010年に情報インフラストラクチャ市場でのトップ企業を目指すとした。「保護・保存・活用・最適化の4つの分野でナンバーワンを目指す。これを実現するには、市場の2倍の速度で成長しなければならないが、実現可能と考えている」と、強気の姿勢を示した。
■ URL
EMCジャパン株式会社
http://www.emc2.co.jp/
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( 福浦 一広 )
2007/08/01 14:00
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