株式会社日立製作所(以下、日立)は7月31日、2007年度第1四半期連結決算を発表した。売上高は前年同期比10%増の2兆4760億円、営業利益は前年同期比43%増の245億円、税引前利益は前年同期比256%増の425億円、当期純損失は前年より84億円改善したもののマイナス136億円となった。
SI部門が伸張した情報通信システム部門、電力・産業システム部門、高機能材料部門が前年同期を上回ったことで増収を達成した。一方、営業利益では、電力・産業システム部門で大幅な増益となったほか、電子デバイス、高機能材料、物流およびサービス、金融サービスなどの各部門が堅調に推移。情報通信システムとデジタルメディア・民生機器の両部門が減益となったものの、全体では増益となっている。
セグメント別にみると、情報通信システムは、売上高が前年同期比10%増の5543億円、営業損失が前年同期から18億円悪化しマイナス83億円。ソフト/サービスでは、ソフト部門が堅調に推移したことに加えて、アウトソーシング部門や金融向けソリューション事業も好調を維持した。ハードウェアもストレージやATMなどが伸張したという。しかし営業損益では、サーバーは改善したものの、HDD事業で損失が拡大しており、結果として赤字額が前年よりも膨らんでいる。
情報通信システムにおける内訳は、ソフトウェア/サービスが売上高が前年同期比13%増の2481億円。そのうち、ソフトウェアが前年同期比4%増の369億円、サービスが前年同期比15%増の2112億円。ハードウェアは、前年同期比8%増の3062億円。さらに細かく見ると、ストレージが前年同期比11%増の1963億円、サーバーが前年同期比10%増の191億円、PCが前年同期比22%減の111億円、通信ネットワークが前年同期比8%減の256億円となった。なお、引き続き好調のストレージソリューション事業(ハードディスクドライブ事業を除く)は、前年同期比8%増の830億円となっている。
電子デバイスは、売上高が前年同期比5%減の2899億円、営業利益は前年同期比1%増の100億円。日立ハイテクノロジーズは堅調だったが、ディスプレイ事業において経営資源の集中を促進し、中小型液晶に特化したため、減収となった。
デジタルメディア・民生機器は、売上高が前年同期比2%減の3620億円、営業損益がマイナス224億円。このうち営業損益は、薄型テレビの販売低迷などの影響により、前年同期から63億円悪化している。
電力・産業システムは、売上高が前年同期比22%増の7335億円、営業利益が前年同期比123%増の244億円。高機能材料は、売上高が前年同期比9%増の4587億円、営業利益が前年同期比2%増の288億円。物流およびサービスは、売上高が前年同期比3%減の2947億円、営業利益が前年同期比141%増の28億円。金融サービスは、売上高が前年同期比12%減の1086億円、営業利益が前年同期比6%増の61億円となった。
なお日立では、今回の結果を受けて中間期の部門別見通しを修正した。大きなところでは、売上高は、情報通信システムが当初見通しより400億円増の1兆1700億円、電力・産業システムが200億円増の1兆6000億円、デジタルメディア・民生機器が350億円減の7500億円など。一方営業利益(損失)では、情報通信システムが当初見通しより160億円増の10億円、電力・産業システムが同50億円増の600億円、デジタルメディア・民生機器が同270億円減のマイナス400億円など。なお、全体の売上高、営業利益については変更されない。
■ URL
株式会社日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/
ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2007/07/0731.html
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