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大塚商会、2007年度中間決算は増収増益-半期の過去最高を更新

ストックビジネスの拡大が好調支える

2007年12月期中間決算の概要

連結での中間決算のセグメント別売上高

大塚裕司社長
 株式会社大塚商会は8月1日、2007年12月期の中間決算を発表した。

 企業のIT投資が引き続き堅調に推移したことから、連結売上高は対前年同期比8.9%増の2464億2400万円、営業利益は同12.9%増の183億3600万円、経常利益は同13.1%増の185億8800万円となり、中間純利益は同4.9%増の100億8600万円となった。

 セグメント別売上高としては、システムインテグレーション事業が対前年同期比6.7%増の1520億4200万円、サービス&サポート事業は同12.1%増の930億9200万円、その他の事業が同72.2%増の12億8900万円となった。

 単体での売上高は、対前年同期比9.3%増の2302億7100万円となった。営業利益は同13.2%増の169億7500万円、経常利益は同12.8%増の173億1800万円、中間純利益は同7.8%増の98億4000万円となった。

 「2007年の中間期決算も、すべての項目において過去最高を更新することができ、これで売上高については連結、単体ともに5期連続の増収となった。また、当社としては初めて中間純利益が100億円を突破した。中間純利益の伸び率自体は鈍化しているが、これは、利益の伸びにともなう税金の増加などが影響した」(大塚裕司社長)。

 好調の要因としては、景況感改善や堅調な企業業績を背景に設備投資が継続、ITを活用した経営改革ニーズの継続、法令や公的手続電子化への対応、システムのアップグレードやインフラの見直し、などを外部環境として挙げ、「特に、法令や公的手続電子化では、日本版SOX法の施行に向けて内部統制の体制構築が徐々に具体化しつつある。今期は売り上げとしてはまだ大きくはないが、秋口から来年にかけて本格化すると見ている」(大塚社長)と述べた。

 同社グループの取り組みについては、「複合システムの提案や総合提案を引き続き進めることで、2007年中間期は単体で顧客の購買単価が6.7%アップし、当社の競争力がさらに向上した。また、営業支援システム『SPR』の機能強化・活用促進、および営業支援センターによる営業活動の効率化などによって、生産性向上にも力を注いだ」(大塚社長)という。


単体での重点戦略事業の状況

単体でのMRO事業の売上高推移

連結での売上高および利益の計画
 単体での重点事業別売上高は、「たのめーる」を中心とするサプライ用品事業MRO(Maintenance Repair and Operation)事業の売上高は対前年同期比15.6%増の429億5400万円、独自ERP「SMILEシリーズ」事業は同2.8%増の40億9500万円、ドキュメントソリューション事業ODS21(Otsuka Document Solutions 21 for open knowledge office)は同13.5%増の209億4600万円、セキュリティ事業OSM(Otsuka Security Management)は同48.3%増の199億5300万円となった。特にMRO事業では、「たのめーる」の売上高が同17.7%増と引き続き好調で、MRO事業に占める売上比率は95.6%に達している。

 「重点事業のなかではSMILEシリーズの伸びが低かったが、これはソフトウェア単体の販売からカスタマイズ案件や受託開発に流れたケースが多かったため。一方、ドキュメント事業のODS21、セキュリティ事業のOSMは好調な伸びを示したが、内部統制に関連したニーズが成長を支えている」(大塚社長)。

 業績が好調に推移していることから、通期の業績予想を上方修正し、売上高は対前年同期比7.2%増の4648億円、営業利益は同10.9%増の290億円、経常利益は同10.9%増の293億7000万円、当期純利益は同5.1%増の164億2000万円とする。

 セグメント別の売上高では、システムインテグレーション事業が同5.0%増の2766億4000万円、サービス&サポート事業が同10.2%増の1859億円、その他の事業が同51.6%増の22億6000万円を計画している。

 単体では、売上高が対前年同期比7.6%増の4337億円、営業利益が同9.3%増の266億円、経常利益が同8.9%増の271億円、当期純利益が同8.0%増の157億円を計画している。


単体でのストック(足し算)ビジネスの推移
 今後の施策としては、「71万社の既存顧客との取引をさらに深耕し、ワンストップソリューションとワンストップサービスを提供することで、1回の顧客を一生の顧客に変えていきたい。また、『たのめーる』戦略による新規顧客開拓の推進や、サポート事業『たよれーる』メニューの拡大と充実を図ることで、安定して月々の売り上げが発生するストックビジネスをさらに推進強化していく」(大塚社長)考え。

 ストックビジネスに関わる資料として、今回初めて「ストック(足し算)ビジネスの推移」のグラフを公開。同社では、サプライと契約保守をあわせた「ストックビジネス」の売上高について、2006年度は1517億円で、全売上高に占める比率が37.7%に拡大していることを明らかにした。そして、「これが、当社が社員数を大きく増やしていないなかで、収益が上がっているバックボーンとなっている。2000年の上場から2006年までに、ストックビジネスで702億円の売上高を計上しており、この間にストックビジネスだけの上場企業が立ち上がったと考えれば、現在の当社の好調な業績、また収益の安定性が理解できるはず。今後も、ストックビジネスにつながるための施策と営業活動を展開していく」(大塚社長)と説明している。



URL
  株式会社大塚商会
  http://www.otsuka-shokai.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.otsuka-shokai.co.jp/corporate/release/2007/070801.html


( 唐沢 正和 )
2007/08/02 09:00

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