Enterprise Watch
最新ニュース

日本オラクル、SMB市場開拓に向け専任組織を新設

“オラクル都市伝説”キャンペーンなど各種施策も展開

常務執行役員システム製品統括本部長の三澤智光氏

クロスインダストリービジネス推進本部の体制
 日本オラクル株式会社は8月6日、中堅・中小企業(SMB)向け専任組織の新設など、SMBを対象としたビジネス戦略を発表した。ユーザー企業に対する同社製品情報の提供に加え、技術者やパートナー企業に対する支援を強化する。

 同社では、売上高1000億円以下の企業をSMBとして分類しており、このSMBを担当する専任組織「クロスインダストリービジネス推進本部」を6月に新設。SMBを対象とした各種プログラムにより市場開拓を行うとしている。

 同社常務執行役員システム製品統括本部長の三澤智光氏は、「日本オラクルは、設立以来SMBに対してさまざまな製品を提供してきた。しかし、SMB分野では、お客さまに製品が手渡されるまで、パートナー企業やSIerなどさまざまなステークホルダーが介在している。それらのステークホルダーに対して、十分にメッセージが届いていなかったのではないかと考え、今回SMBの専任組織を新設した」と説明。ユーザー企業だけでなく、ISVやハードウェアメーカー、SIer、販売会社、ディストリビューターなど、さまざまな企業に対してSMB強化を目的に支援を行うとした。


今回発表されたSMB向け支援策
 今回発表された支援策は、1)ユーザー企業が抱いている間違った噂の払拭と正しいメッセージの伝達を目的とした「都市伝説キャンペーン」、2)技術者に対して、さまざまな技術習得支援を行う「技術者応援プログラム」、3)パートナー企業の倍増を目指したパートナープログラムのリニューアル、の3つ。

 都市伝説キャンペーンは、「オラクルは高い」「オラクルは難しい」「OSがWindowsならSQL Serverが最適」など同社にとって間違った認識や古い認識を改めるために、Webサイトを通じて正しい情報を発信するもの。同社システム製品統括本部クロスインダストリービジネス推進本部長の江口良和氏は、「ステークホルダーに対してサーベイ調査を行ってみると、Oracle 7や8などの古い製品時代の認識がいまだ残っていたり、他社製品と正しく比較されていなかったりする結果が出た。これらを改善するためにも、これら誤ったオラクルの“都市伝説”を、正しい情報を提供することで改善する」と説明。1~2週間単位で最新情報を公開するとしている。

 技術者応援プログラムは、時間や場所など技術者が抱える障害を解消することで、同社製品の技術習得を支援するプログラム。首都圏開催の会場セミナー「ORACLE Metro」、支社を中心に地方都市での会場セミナー「ORACLE Branch」、就業時間外に受講できる会場セミナー「ORACLE Twilight」、週末に受講できる会場セミナー「ORACLE Weekend」、自席で受講できるインターネットライブセミナー「ORACLE iSeminar」の5つのセミナーを開催する。「19時以降の開催や土日開催、地方での開催など、技術習得の機会を増やす。また、オンラインセミナーのiSeminarでは、電話接続をフリーダイヤル化するなど、参加機会を増やす。これらにより、500セミナー、5万人の参加を目指す」(江口氏)とした。

 パートナープログラムのリニューアルは、同社が提供しているISVやSIer、ハードウェアベンダーなどを対象とした支援プログラム「Oracle Partner Network Member Partner」を見直すことで、パートナー企業に対するメリットを強化するもの。「たとえば、開発ライセンスキットを登録者のみに提供してものを、各拠点で利用できるよう複数登録できるように改善したり、有償で提供していたサポートノウハウを登録パートナーすべてに公開するなど、より利用しやすいプログラムに改善した」(江口氏)と説明。また、9月にはキャンペーンを実施する予定で、これらにより現在の800社から今期中に1600社まで倍増させるとしている。


都市伝説キャンペーン 技術者応援プログラム パートナープログラムのリニューアル

 今後の展開について三澤氏は、「SMB向けのBI製品の投入やISV向けのパートナープログラムのリニューアルなどを行っていく。また、エンタープライズ向け製品のみが対象となっていたIT減税対象製品をSMB向け製品でも取得できるようにする」と、さらなる強化策を展開すると説明。「昨年度のSMB市場での成長率は10%以下だったが、今回の施策により20%以上の成長を目指す。また、今回の施策により、(SMB市場でのライバルである)マイクロソフトに対してきちんとけんかをしかけていきたい」と、積極的に市場開拓を行う考えを示した。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/


( 福浦 一広 )
2007/08/06 16:13

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.