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創業10周年のサイボウズ、「もっとも使われるグループウェア」へ向けた戦略を説明


代表取締役社長の青野慶久氏

製品ラインアップを2つに分類し、それぞれのターゲットセグメントへ訴求を図る
 サイボウズ株式会社は8月8日、創業10周年を記念した記者説明会を開催した。その冒頭で、代表取締役社長の青野慶久氏は「サイボウズでは、情報サービスを大衆化する会社、という理念を掲げている」とあいさつ。続けて、「まだまだ難しいグループウェアが多いが、簡単に、安く使えるようにしていき、その結果、世界でもっとも使われるグループウェアにしたい」との意気込みを述べ、そのための戦略を説明した。

 サイボウズの主力製品は、小規模向けグループウェア「サイボウズ Office」と、中・大規模向けグループウェア「サイボウズ ガルーン」の2つ。これらを中心に、Webデータベースソフト「サイボウズ デヂエ」やブログソフト「同 ブログ」、SFAソフト「同 ドットセールス」などを発売し、あわせて製品展開を行ってきた。しかし製品ラインアップが充実してきたことにより、逆に製品の持つ位置付けなどがわかりにくくなってしまったという。

 そこで同社では、製品を大きく2つにグルーピング。サイボウズ Officeを中核とする「サイボウズかんたんシリーズ」と、サイボウズ ガルーンを中心としたシステム製品群「サイボウズ ガルーンシリーズ」に分けて2大ブランド化し、情報を整理して提供する。

 前者には、サイボウズ Officeのほか同 デヂエ、グループメールシステム「同 メールワイズ」、国際版グループウェア「同 Share360」といった、主に小規模向けの製品を分類。後者には、サイボウズ ブログや同 ドットセールス、同 ワークフローといった、「企業がシステム製品として導入できる製品を集めた」(青野社長)。サイボウズでは、同日よりカタログやWebサイトを刷新して、両ブランドに沿った製品展開を進めたい意向である。なお製品展開としては、サイボウズ Office 6の後継となる新製品を、今期(~2008年1月)中に提供することを表明した。

 また今後は、顧客とのリレーションマーケティングを強化する。具体的には、購入した顧客に対して電話フォローを行うほか、既存ユーザーが実際に集まって情報を交換するユーザー会の設置、オンライン上で情報交換を図るためのユーザーコミュニティ開設などを行っていくという。青野社長は、こうした活動強化について「今までは販売後の顧客にあまり手が回らなかったので、販売したらそれっきりということもあった。しかし、販売した後に使っていただけないのでは意味がないので、フォローをしっかりしようということにした」と述べている。

 同時にこの分野では、既存ユーザーを対象としたキャンペーンも実施する。このキャンペーンでは、サイボウズかんたんシリーズの製品を抽選により88本限定で特価販売する。価格は、「8月8日に創業したサイボウズが10周年という意味で8080円にした」(青野社長)とのこと。


説明会にはグループ企業12社のトップも同席。青野社長とともに、サイボウズグループを支えていく決意を見せた
 一方、サイボウズはグループとしても、従業員数700名以上になるまで成長しており、青野社長は、「情報サービスの大衆化(という企業理念)を、より拡げていく取り組みをグループで促進する」とコメント。すでに、フィードパスとの連携で製品化された「サイボウズ ブログ」や、インテグラート・ビジネスシステム、ブリングアップとの連携による「サイボウズ ドットセールス」などが、グループ内での協業の成果として提供されている。

 また、ソフトウェアをサービスとして提供するSaaS(ASP)の分野でも、フィードパスを通じて、Webベースの情報共有ツール「feedpath Zebra」やグループウェア製品を提供中。グループ企業の中には、SIやネットワークを手がけるところもあり、こうしたグループ各社との連携によって、シナジー効果を生み出していることを説明している。



URL
  サイボウズ株式会社
  http://cybozu.co.jp/
  ニュースリリース
  http://group.cybozu.jp/news/07080802.html


( 石井 一志 )
2007/08/08 17:04

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