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富士通とFRI、サプライチェーン継続性に関する取り組みをサービス化

災害時にも調達できるよう支援

取締役上席常務の岡田晴基氏
 富士通株式会社は8月21日、自社の調達における事業継続に関する取り組みを強化すると発表した。

 調達に関する問題としては、2007年7月の新潟県中越沖地震に伴う、自動車部品の製造を行うリケンの事例が記憶に新しい。リケンの工場が被災地にあったため自動車メーカー各社の部品調達が滞り、スズキ、富士重工業、三菱自動車工業の3社が一時的に生産ラインをストップ。震災が経済に与えるダメージを具体的に浮き彫りにした事例として大々的に報道された。

 富士通ではこうした事態に備え、早くから調達の事業継続管理(BCM)の重要性に着目。グループ各社も含めて調達の窓口を富士通購買部に一本化したほか、調達に当たっては市場標準品を積極的に採用し、部材を共通化、それによる部品点数の削減といった施策に取り組んできた。

 今回の発表は、この取り組みをさらに強化しようというもの。具体的には、取引先のBCM能力を測る109項目のアンケートを行うことで、取引先の経営レベルおよび部品レベルのBCM能力を評価。結果に応じてランク付けを行い、一定のランクに達していない取引先に対しては、富士通総研(FRI)と共同で、BCM強化支援を実施していく。「課題を共有してともに取り組んでいくことで、取引先も含めたサプライチェーン全体のBCMを強化する」(取締役上席常務の岡田晴基氏)のが狙いとのことだ。


FRI、代表取締役副社長の平田宏通氏
 併せて、同取り組みに基づいてFRIでは、「サプライチェーン継続性評価サービス」を2007年度下期より提供する予定。製造業などに向けて、取引先のBCM能力を測り、最適なサプライチェーンを実現する手だてをコンサルティングするサービスだ。顧客にとって重要な取引先を選定するところから始まり、アンケートのほか、必要であれば実地調査なども行い、その結果から顧客にとって最適な調達方針を策定する。

 同サービスを受ける顧客にとっては、自社のサプライチェーンを客観的に評価できる点が、その取引先にとっては納品の状況と改善点を把握できる点が、それぞれのメリットとなる。

 FRI、代表取締役副社長の平田宏通氏は、「人材、実践的なノウハウを生かして、調達部門における事業継続能力を強めたいというニーズに応えられるサービス内容である」とアピールした。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  株式会社富士通総研
  http://jp.fujitsu.com/group/fri/
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2007/08/21.html


( 川島 弘之 )
2007/08/21 15:18

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