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アルカテル、ネットワーク製品の「ノンストップサービス」技術をアピール


IP事業部の田中厚マネージャー

多くのベンダーが採用しているグレイスフルリスタートよりも高いレベルの、ノンストップサービス技術を実現しているという

デモで利用されたアルカテルのサービススイッチ「7450 ESS-7」
 日本アルカテル・ルーセント株式会社(以下、アルカテル)は8月22日、自社ネットワーク製品の可用性に関する説明会を開催。IP事業部の田中厚マネージャーが、高可用性確保に対しての取り組みなどを解説した。

 アルカテルではルータ、スイッチ製品を提供しているが、そのターゲットをキャリアのエッジに絞っており、そこで求められる機能をさまざま入れ込んできた。田中マネージャーによれば、データ・音声・ビデオを同一のネットワークで提供するトリプルプレイや、すべてのサービスをIP上で再構築するIPトランスフォーメーションなどがキャリアでのキーアプリケーションになっているとのこと。そうした中で、これらのサービスを支えるものとして、HA(High Availability:高可用性)が非常に重要になってきているという。

 その理由はもちろん、サービスが止まってしまっては困るからだ。1分ネットワーク機器がダウンすれば、その間はサービスが提供できなくなるのだから、その分の収入は得られなくし、場合によっては違約金が発生することもあるだろう。このようなリスクを排除するために、サービスインフラとしてのネットワーク機器には、高いHA性能が求められるようになっている。

 サービス継続のための機能としては現在、再起動するルータ経由の経路を維持する「グレイスフルリスタート(GR)」機能が実装されているケースが多い。この機能では、ルータ内のルーティングプロトコル処理部が障害などによって再起動しても、フォワーディング部分が生きていれば、そのルータを経由するパケットの中継を継続するため、ネットワークから経路が消えることによる通信停止時間を短縮できる。

 しかしこの機能でも、ルータダウン時のロスをゼロにはできない。田中マネージャーは、「まだGRが出る前に、(GRより上のレベルの)ルーティングプレーンが止まらないノンストップルーティングの技術をすでに完成させていた」と述べ、高可用性に対する取り組みでは業界に先行していると主張する。さらに、「キャリアのサービスはたった1つのプロトコルだけで構成されているものは多くない。例えばIP-VPNでは最低4つのプロトコルが必要になる」という点を指摘。さらに上の、サービスを停止させないという視点での対策が必要になるとした。

 そこでアルカテルが用意しているのが、「ノンストップサービス」技術だ。VPLS(virtual private LAN service)などのレイヤ2レベルの技術で必要とされるMACアドレスの学習など、レイヤ3以外の技術も実装されており、障害発生時にサービスへ影響を与えず、待機系へ切り替えることが可能になっている。またGRでは、隣接するルータの対応も必要になるが、ノンストップルーティングやノンストップサービスでは近隣のルータへ影響を与えずに運用できる点もメリットになるという。

 アルカテルでは、自社製品の優位性を示すため、説明会でデモを実施。他社製品を利用した場合、プライマリのカードがダウンすると復旧までには30秒程度の時間を要したのに対し、アルカテル製品を利用した場合には、まったくロスなく待機系への切り替えが行われることを、報道陣に示して見せた。



URL
  日本アルカテル・ルーセント株式会社
  http://www.alcatel-lucent.co.jp/


( 石井 一志 )
2007/08/22 15:45

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