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「既存分野だけでなくRuby・PHPも注力」、CodeGearが今後の製品展開を説明


米CodeGearのアジアパシフィックバイスプレジデント、マルコム・グローヴス氏
 ボーランド株式会社の開発ツール部門であるCodeGear事業本部は8月27日、プレス向けの説明会を開催。米CodeGearのアジアパシフィックバイスプレジデント、マルコム・グローヴス氏が、事業戦略を解説した。

 昨年11月に米Borlandの開発ツール部門として独立したCodeGearは、開発者にフォーカスした製品を提供しているが、残念ながら「市場ではBorlandほど認知されていない」状態だという。しかしグローヴス氏は「従来のBorlandを振り返ってみても、Turbo時代から20年開発を手がけていた人間が集まって中核を構成している」と語り、そのコア部分にはまったく変化がないことを強調する。

 その上でグローヴス氏は、「市場で確立されている言語については、イノベーションを継続して進めていく」とし、DelphiやJBuilderといった既存製品についての開発を続けていく旨をコミット。さらに、「近年新しい動きがあったことを認識しており、新しい言語や新たに浮上してきた技術についても、同じようなイノベーションを提供する」と述べ、PHPや日本発の言語であるRubyなどの分野にも力を入れていく姿勢を説明した。

 そのうちPHPについては、Delphiによく似た操作性を持つDelphi for PHPをリリース。これまでは開発環境が遅れていたPHPの世界に、世界で初めてビジュアル統合開発環境を提供できたと述べる。加えて、再利用可能な50以上の開発コンポーネントを含むライブラリ「VCL for PHP」を提供し、ユーザーの利便性向上を図った。また、RubyとRuby on Rails向けの統合開発環境「Ruby IDE from CodeGear」の投入も2007年後半に予定しており、オブジェクト指向のスクリプト言語への対応を強めている。

 JBuilder関連では、最新版の「JBuilder 2007」でEclipseを取り込んだことが大きなトピック。「今現在はオープンソースが非常に台頭している中、開発者向けソリューションを展開しようとするのであればオープンソースを無視するのはまったく愚かなことだ」としたグローブス氏は、「JBuilderをEclipseの上に展開することで両方の良いところを活用できる」と述べた。一方でCodeGearでは、JBuilderの技術を既存のEclipse環境に付加するプラグインパック「JGear」を米国で提供しており、開発者のニーズに両面で応えようとしている。

 なお、主力製品というべきRAD製品群では、Win32環境と.NET環境の双方をサポートする「RAD Studio 2007」を近日中に発表する予定になっている。



URL
  ボーランド株式会社
  http://www.borland.com/jp/
  CodeGear事業本部
  http://www.codegear.com/jp/


( 石井 一志 )
2007/08/27 18:23

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