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vProブランドはサブブランドに-インテル最新vPro説明会で発表


米Intel副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のトーマス・キルロイ氏

最新vProの仕様
 インテル株式会社は8月30日、28日に発表された次世代vProテクノロジーを中心に、エンタープライズビジネスへの取り組みに関する報道関係者向け説明会を開催した。vProとCentrino Proの2つのビジネス向けブランドに関して、来年にも「with vPro」のブランドに変更する予定であると発表した。

 2006年にはじめてビジネス向けデスクトップPC用プラットフォームとして投入されたvProは、今回2世代目に進化。米Intel副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のトーマス・キルロイ氏は、「2006年のデスクトップ向けvProに続き、2007年にはモバイル向けビジネスプラットフォームとしてCentrino Proを投入した。これまで400万ユニット、数百社で導入されており、また30社以上のベンダーがvPro対応製品をリリースしている」と、ビジネス向けプラットフォームとして着実に浸透していると紹介。

 今回発表された最新のvProについては、「プロセッサにCore 2 Duo E6550/6750/6850を、チップセットにインテルQ35 Expressチップセット、ネットワークには82566DMギガビットネットワークコネクションを採用した。また、プラットフォームテクノロジーとして、次世代のAMT(アクティブ・マネジメント・テクノロジー)、強化されたVT(バーチャ来ぜーション・テクノロジー)、そしてTXT(トラステッド・エグゼキューション・テクノロジー)を新たに搭載した。そのほか、DASHやWS-MANといった次世代の標準管理規格、TMP 1.2をサポートした」と説明。

 特にセキュリティ機能を強化した点を強調。「TXTにより、仮想化パーティションおよびVMMの保護を実現。また、システムディフェンスネットワークフィルターにより、ネットワークトラフィック中の悪意あるパターンの検出機能を強化している。そのほか、AMTの拡張により、802.1xおよびCisco NACのサポートも実現している」(キルロイ氏)と、企業にとって重要なセキュリティ分野を強化したと説明する。

 また、最新プロセッサにより、30%のパフォーマンスの向上を実現。消費電力に関しては、プロセッサの最大消費電力そのものはほとんど変化していないものの、アイドル時の消費電力を60%削減することができたと紹介。また、チップセットの消費電力も55%削減するなど、トータルで消費電力の大幅削減を実現したと説明する。キルロイ氏は、「PCの利用シチュエーションはさまざまなため、アイドル時を含めた標準的なマトリクスを用意するのは難しいが、確実に消費電力の削減を実現している」とした。


 企業向けとしてvProとCentrino Proの2つのブランドが存在するのは、ユーザーにとってわかりにくいのではないかとの質問に対し、キルロイ氏は「その指摘は正しいとおもう。2008年にはブランドの簡素化を予定しており、その際、vProはテクノロジーの名称として使用することになる。たとえば、デスクトップ向けであれば『Core 2 with vPro』、モバイル向けであれば『Centrino with vPro』という形になる」と、vProブランドが大幅に見直されると述べた。

 また、サーバー向けにvProのようなプラットフォームを用意する予定があるかとの質問に対しては、「サーバーベンダーはすでに独自の管理機能などを用意している。われわれとしてはパートナーと競合するようなことをするつもりはない」と、サーバー向けプラットフォームについては否定した。



URL
  インテル株式会社
  http://www.intel.co.jp/

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  ・ インテル、セキュリティ機能を強化した最新版vProを発表(2007/08/28)


( 福浦 一広 )
2007/08/30 15:38

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