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デル、日本における事業計画を公表-中小企業向け間接販売にも力注ぐ


代表取締役社長のジム・メリット氏
 デル株式会社は9月5日、日本における同社事業の取り組みなどについて、同社代表取締役社長のジム・メリット氏の会見を開催。「日本における現在の市場シェアは第2位。大企業および中小企業市場においては1位だが、今後、コンシューマ市場でのシェアを拡大することによって、日本でのナンバーワンを目指したい」と宣言した。

 会見の冒頭、メリット社長は、8月30日に発表された米Dellの暫定決算について触れ、「市場の期待値を上回る好調な四半期実績となった。サーバー、ストレージなどのエンタープライズ製品群は業界全体を上回る成長となり、サービスも好調。組織変革の推進の成果も出ている。エキサイティングな商品群を法人市場向け、コンシューマ市場向けにそれぞれ投入したこと、戦略的な企業買収といった新たな取り組みも具体化した四半期だったといえる」とした。

 米Dellでは、この四半期の間に、ソフトウェア・ソリューションおよびライセンシング・サービスプロバイダーであるASAP Software、ITインフラ遠隔監視および管理サービス提供プラットフォーム・プロバイダーのSilverBack Technologies、常時接続のオーディオ・エンターテイメント機器事業を中核とするコンシューマ・テクノロジーサービスのZing Systemsを買収している。

 また、コンシューマ市場において、米国ではウォルマート、英国ではカーフォン・ウェアハウス、日本ではビックカメラと提携したことを紹介し、「これまでダイレクト販売を利用するという習慣がない人にアプローチしていく体制を構築した」と、提携の狙いを示した。

 米Dellの第2四半期(5~7月)の暫定業績は、売上高が148億ドル、営業利益は8億9600万ドルとなり、3四半期ぶりの増収増益となった。そのうち、アジア太平洋地域では、第2四半期としては過去最高水準の売上高を達成。同時に利益を伴う成長および出荷台数の大幅な伸びを記録したことをあげ、「バランスの取れた成長を遂げ、Dellにおけるアジア地域の存在感を高めることができた。今後は引き続き、日本をはじめ、アジア全域での顧客満足度を高める必要がある」とした。


グローバルでの第2四半期の暫定業績 ASAP Software、SilverBack Technologies、Zing Systemsを買収

第2四半期は市場シェア2位に

日本における営業体制
 日本における第2四半期の取り組みについては、デスクトップPC、ノートPC、サーバー、ワークステーションをあわせた市場シェアが、前年同期から4ポイント上昇し15.9%となり、シェア2位を獲得したこと、さらに法人向け市場では1位を獲得したことに触れたほか、全事業分野において利益を伴う成長を達成したことを示した。

 「これだけ右肩上がりで成長しているベンダーはいない。年初からの累計で、個人ユーザーは新規に15万件を獲得。法人ユーザーも新たに13万件を獲得した。大手企業向けのサーバー統合ソリューションの導入、DELL|EMCブランドのストレージによるバックアップおよびリカバリー需要の顕在化、地方政府機関向けの伸張などがあり、法人市場における存在感をさらに高めることができた」と総括した。

 また、コンシューマ向けの新製品である新Inspironおよび薄型化を実現したノート型の新XPSシリーズ、中小企業向けの新ブランドであるVostroの投入など、製品投入が相次いだことにも触れ、「Vostroでは、製品にサービスを統合する形とすることで、より簡素化したITの提供を実現した。初期の出足は予想通りのもの。今後、サービス部分をさらに強化することで、中小企業向けビジネスを伸ばしたい」と語った。

 今回、中小企業向けビジネスにおいて、これまでのダイレクトビジネスに加え、間接販売のチャネル展開に力を注ぐ姿勢を示したのが特筆される。

 メリット社長は、「中小企業向けビジネスとダイレクト販売は大変相性がいい。しかし、地域や企業によっては、システムインテグレータや地域の販売店を通じて購入したいという動きもある。デルは、あくまでも直販ビジネスを主体とするが、これを補完する形で間接販売のチャネルを活用し、カバレージの拡大を図りたい」とした。

 コンシューマ市場におけるビックカメラとの提携も、同様にカバレージ範囲の拡大という狙いがあるものの、「ビックカメラ以外の新たなパートナーとの提携は具体的にはない。現在は、ビックカメラとの協業の成果を最大限にすることに力を注ぎたい」とした。

 また、かねてから標ぼうしている日本市場向けの製品投入に関しては、「日本では、薄型ノートPCおよび省スペースで機能が統合化された製品が求められている。こうした日本で求められるニーズを実現した製品を投入したい」とし、具体的な時期や仕様、価格などについては触れなかった。

 一方、新InspironおよびXPSノートブックのカラーバリエーションモデルが品薄状況になっていることに関しては、「需要が予想以上に伸びたこと、XPSの赤や白などのカラーでは塗装技術の問題もあり、供給が制限されたこと、新Inspironでは、液晶パネルの供給が逼迫したことにより、供給が遅れている。早期に解決するように努力を続けている」とし、当面、特定モデルでの品薄が続く可能性を示した。


中小企業向けビジネス コンシューマ向けビジネス 大企業向けビジネス


URL
  デル株式会社
  http://www.dell.com/jp/


( 大河原 克行 )
2007/09/05 16:06

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